松竹座 と 新歌舞伎座

 前田慶次は良い初日だった。
 稽古も舞台稽古も、かなり足りてない感じで、心配したけど、プロと職人の集まり、が、最後には力を見せる。
 加えて、お客さんが暖かい。舞台にカチラをくれたな。

 そして皆、愛之助さんを愛し、大阪の新しいスターとして応援している。
 
 商業演劇は、何よりも座長が大事だ。
 ホンも演出も、まずは座長を生かすことから考える。
 共演者も、それを忘れて参加は出来ない。

 だからその分、座長の責任は重大で、腕と器量を持たなくちゃいけない。
 その点、愛之助さんは見事であった。立派な屋台骨でありつつ、一座に細かく気を配る。
 偉ぶるところは、みじんもなく、この人のためならと、気持ちよく思わせてくれる。

 いわゆる御曹司でないから苦労を知っておられるという話だけど、それで卑屈にもならず、爽やかな大物でいるのは、難しい。
 大阪の新聞記者さんに、何度も声を掛けられた。

 愛之助さんをよろしくね。

 これはもうジャーナリストの言葉ではない。大阪の新しいスターにと、町ぐるみで応援しているのである。わたしもぜひ、そこに加わり、愛之助氏の江戸攻めを見守りたいと、お世辞抜きに思う。

 初日の夜は、扉座と銀之丞さんで、おこのみ焼き。星野事務所の星野さんにご馳走になる。
 するとそこに、まつの役を、これまた見事に演じて下さっている、今回の大きな功労者のお一人、賀来千香子さんが偶然、ご来店。ついでに言えば、トシノリの母役でもあられる方。
 やあやあとなし崩しに乾杯を。

 折しも新歌舞伎座のこけら落としで大阪にいる、笑也さんから電話が。
 急遽合流することに。
 賀来さんと笑也さんは旧知の仲で、ぜひお会いしたいということだった。

 そこから、笑也さんのお導きにて、なんかすっげー秘密倶楽部みたいなレストランのVIPルームに移動。
 清原さんが、いつもいますみたいなとこ。

 雪駄履きの犬飼さんとか、立ち入り禁止だろうと思われたが、すでに、トシノリ君らとともにヘベレケで、手遅れであった。
 そして
 勝手に、焼酎くれとか叫んでいる。
 シャンパンが並べられているのに。

 だが
 さすが隠れ家、そこにはすべて揃っていて、加えて、どうぞおさわぎ下され、ここは個室ですから、みたいなやんちゃな大人の余裕空間。
 そこでワアワアとご馳走になる。

 でも、賀来さんともゆっくりと話が出来てヨカッタ。
 舞台を観て頂ければ分かるけど、この舞台では、賀来さんも素晴らしい。
 正直、線の細い印象だったから、映像ならともかく、舞台はどうよと、思っていたけど、
 まことご無礼仕った、と感服の次第でござる。

 誰よりも花道が似合っている、堂々たる女武将ぶりである。

 そして翌日は
 かつて我々が大阪公演の根城にしていた近鉄上六に出来た
 新歌舞伎座 に。
 おもだか一門の公演を。

 すっかり町の様子が変わっていた。
 ちょっと寂しい気持ちもしたけど、ともあれまたあそこに劇場が出来たことは目出度い。

 おもだかチームに、挨拶。
 お互い、仕事で大阪にいることの不思議。
 その夜は、笑也さんや猿弥さん、笑野、笑子らと。これは昔からある、劇場前のハイハイタウンの居酒屋で談笑。

 実は 前田慶次には、スーパー歌舞伎パクリがいくつかある。自己盗作というやつである。
 言葉遣いなんかは、それはもう、スーパーで習い覚えたそのまんま。

 皆がみれば、かなりウケと思うので観て欲しいが、公演がほぼ丸かぶりだ。
 ザンネン。

 ともあれ 関西方面の皆様、ご声援をどうぞよろしく。

 
 
 
 
 

 

 
 
 
 


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