有馬自由緊急出演!

 そこの場面、何か人体のホルマリン漬けが欲しいんだけどな……

 たとえば、演出家がこんなこと言って、その日のうちにたちまちブツが出てくるなんて、凄いことだと思わないか?

 わしは一昨日、突然、こんなことを言い出したのである。
 ここには人体が必要だ、と稽古を見ていて発作的に思ったのである。
 
 詳細は舞台を見れば分かる、ああ、これかと。

 そしたら、小道具担当のトシノリが即座に言ったのだ。

 有馬さんの首ならありますけど……

 なんでそんなものがあるんだ?
 しかし、三分後には、わしらの目の前にちゃんと有馬自由の首が倉庫から出されて届けられているのである。
 
 恐るべし、扉座 である。

 種を明かせば、これは『百鬼丸』(どろろ)という芝居で、使った小道具であった。
 有馬武将が天下を取りそこねて、犬飼侍に首を討たれたのである。

 見た人は覚えているだろう。
 あの首をとってあったのである。
 
 そんなワケで、急遽、有馬自由の出演が決まった。

 首だけだけど……

 
 また同時に、突然、ドカタたちの生演奏が欲しくなった。それも、オルゴールのような、優しい音色が欲しい。

 ホルマリン漬けが欲しくなったり、オルゴールの音色だったり、バラバラやんけ、という感じだが、

 これも見れば分かる。

 ああ、なるほどー、こーなるのか、と。

 これは結構、美しくも、ロマンチックな光景になることであろう。

 でも、そんな楽器があるのか?
 それもあと2日で、小屋入りなんて言うタイミングで。
 簡単に演奏出来る、楽器……


 正確にはこれは昨日、発作的に思い立った。

 んで、ここにオルゴールの音色。
 しかも生演奏で。

 とダメもとで叫んだところ、
 またまたトシノリが、

 ○○○○○がありますけど。
 
 おお、そんなものもあるのである。

 これは『ツトム』という芝居で、天使のおばちゃん達が演奏していた。
 かなり高価な物だったけど、どうせなら、ちゃんとした物を買っておけ、また使えばいいんだから。
 と清水の舞台から飛び降りた、のを思い出した。
 
 でも、すっかり忘れていて、
 その後、ずーっと倉庫に眠ったままだった。

 もちろん、これも即決採用になった。

 ○○○○○が何かは、見てのお楽しみにしておこう。
 ちょっと画期的な場面になる。

 

 世の中に劇団力というものがあるのなら、
 まさにコレだと、申し上げたい。


 ただ今、それらを組み込んでの、新演出『ドリル魂』は更に進化をし続けて、初日に向かってばく進中である。

 見逃すな! 


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