梅沢富美男 えらい

 浄土は、お陰様で、ご用意分がすべてなくなりました。
 行き渡らなかった皆様、ごめんなさい。

 ところで
 ミヤネヤ である。

 昨日は新宿初日を無事開けての翌日、小屋入りまでの時間は、ひたすら静養にあてたのであるが

 そこで午後のワイドショーを見てしまった。
 んで、例の梨園の御曹司の話が出てて
 ここまでの事件の顛末など、ワタシはすっかり詳しくなったのだった。

 その時だ、この話題の締めにかかったところで、
 梨園とは対極といえる、
 大衆演劇の雄・梅沢富美男が、コメントしたのだった。

 立派な家があり、名があり、天下一の興業会社が付いて、
 素晴らしい観客を持って
 そんな恵まれた環境で、やっているものが、何をやっているのだ、と。

 誰もがそんな恵みを受けられるわけじゃない。
 エンゲキ というのは、みんな大変な思いでやってるんだ。
 自覚して欲しい、みたいに。
  
 梅沢氏は、芝居といわずに、エンゲキ と言った。
 その時、マツコデラックス風に言うなら、

 ワタシ、食べかけの肉まんを思わず取り落として、テレビに向かって拍手したわよ。

 私たちの今回のエンゲキは、歌舞伎に大いに助けられている。
 葵太夫という才能もそうだし、笑也さん、笑三郎さんという、人たちが、稽古を覗きに来てくれては、いろいろとアドバイスしてくれた。

 そこでまたまた我らは、歌舞伎の知恵とチカラに、感心させられたのだった。
 そして歌舞伎の世界に関わる人へ、尊敬の念を抱くのだった。

 それらの知恵や技術を生み出し育んできた長き歴史と、それを今の時代、長い修行を積んで、しかと継承してゆく、根気と情熱に。

 そこでは、
 かの世界の人は、ある種の異星人であり、アウトローであり、治外法権の人のような気もしてきてしまうのであった。

 つまりあの人たちは、別みたいな。
 これは本人だけの思い上がりではなく、我々を含めてそれを取り巻く環境すべてが、そういう環境を生み出しているのである。

 だが、
 あれもエンゲキ、これもエンゲキなのである。

 富美男さんは、お昼のひととき、かなり真剣に怒りつつ、それを思い出させてくれた。

 確かに、僕らが知るエンゲキは、もっと過酷なモノだ。
 そこで我々は、ヘロヘロになりつつ闘っている。 

 かの人はね、
 ワタシの友人たちも多く競演する、大切な役者さんだから、決して誹謗する気はなく、ひたすら早い回復と舞台復帰を心から望むモノである。
 
 ただ同じエンゲキ人として、富美男さんに強く共感する。

 そして、まだ若い、エンゲキ界の宝が、
 このことで、自らの使命と責任に深く目覚め、
 更に、進化していくことを願ってやまない。

 それほど素晴らしい可能性なのである、あの世界そのものも、かの人も。

 引き合いに出すなと、言われそうだけど

 役者はサラリーマンじゃないからな。
 多少、人としては破格の方が面白いのも真実だ。
 だから、これが良い方に進むキッカケになって欲しい。 

 うちの犬飼も以前酒で事故って、死にかけて、今は舞台に立っている。
 たぶん、良い方に進んでいると思いたいけど。

 本当に使命と責任に目覚めているか、どうかは、舞台を観て判断して頂きたい。


 では
 劇場で。
 日曜日まで、お待ちしています。
 
 


 
 
 
 


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