ラブラブラブ14の 演出家
明日から、またラブ×3 が始まる。
リボン騎士 の配役オーディション兼プレ稽古を、扉座稽古場でしつつ
すみだパークの小劇場・倉 において本日ゲネ。
昨年に続いて、2度目の すみだパークでのラブ×3である。
劇場の入り口から見える、スカイツリーが、去年比で軽く2倍以上に伸びている。
ツリーが伸びるにつれ、活況を帯びている、お膝元。
我々がここに稽古場を借りて、かれこれ15年になる。
あの頃は、この北口側は町工場しかないし、フィリピーナしかいないような、煤けた感じの街だったものだが。
街が変わり、劇団も変わってきた。
そしてこの14回目。
扉座はまた新しい演出家を送り出す。
扉座の女優だった、田島幸である。
今回は、田島が演出を担当している。
昨年の仙川劇場『新羅生門』で、私の演助に付いて以来、あちこちの商業演劇の現場などで、助手をやってきた。
一方で、研究所の授業も受け持ち、この日のために、準備を重ねてきた。
扉座は、実は私も含めて、誰にも芝居というモノを正しく習ったことのない者たちの集団である。
それが今、研究所をやってるというのが、可笑しな話ではあるが。
田島は、桐朋学園の演劇科という、極めて正当な演劇学校の出身者である。
だから先生や演出が出来るというほど、簡単なものではないが、いろんなことを知っていて、体験しているのは確かであった。
で
やらせてみたら、ケッコウはまっている。
いろんな要素が混じり合う舞台だから、裏はてんてこ舞いで、ストレスのたまる現場のはずだが
意外なほどケロリとして、落ち着いて現場を捌いているのが何よりも頼もしい。
この舞台、ワタシも一応演出という名で表記はされているけど、
稽古場での通し稽古を観て、これはもう任せておいて大丈夫、むしろ変な口出しして田島色を薄めてはイカンとさえ思い、今日のゲネまで敢えて見ぬようにしたほどだ。
かつて茅野イサムも、
もしかしたら茅野は、俳優より演技指導とか演出の方が向いてるんじゃないかとピンと来て、
まあやってみてよ、とラブ×3の演出を任せたのが、演出稼業のスタートだった。
それが今や、大きな劇場で次々とキャリアを重ねる、人気演出家である。
だから、もしかしたら、これは歴史的な日になるかも知れないのである。
何より、劇団初の女性演出家である。
たまーに外部から演出家を招聘することもあった我が劇団であるが
女性というのはまったくいなかったのである。
田島の仕事は、劇団にとっても大きな財産になるものだろうと思う。
もちろん
14期生たちも、限界まで力を尽くして、よくやっている。
お陰さまで盛況のようで、残席は少なくなっているようであるが、
女優としての田島のことを応援してくれていた人たちに、ぜひ見て欲しいと思う。
明日から、日曜日まで、錦糸町のすみだパークスタジオ内・マル倉 での公演です。