人の営み
日本の復興のためには、経済活動を盛んにする必要がある。
被害に遭わなかった人々は、過剰な自粛に走らず、むしろモノを買った方がよい。そうすれば、企業も潤い、税収が上がる。それが、被災地の復興にも役立ってゆく。
とテレビで経済学者が言っていた。
阪神淡路大震災の時も、その後すぐあったバレンタインデーで、一斉に自粛ムードが高まったが
あの地区には、製菓会社がたくさんあって、チョコが売れなくなると、更に大きな打撃を受けるから、
せっせと義理チョコ配った方がいい、という話があった。
慎ましくすればよいのか
浪費すればよいのか、どっちなんだ。
一番良いのは、浪費する覚悟で、お金をどんどん被災地に送り届けることであろう、と思うけど
たぶんそれじゃ、この国はもう回らない仕組みになっているのだろうな。
企業や会社が、上手く稼働しないと、国そのものが危うくなる。だからこそ、原発だって作ったわけだし。
国を思うために
今こそ、節約と奉仕、寄付に重きを置き、消費型社会を脱却し、必要なモノを必要なだけ作って分け合う、共生の社会を目指すべきだ これがそのキッカケとなるのだ、という意見と
そんな甘い理想を言っている場合じゃなく、消費を勧めて目の前の経済を支えないと、結局、国民が不幸になるのだという意見と。
つまるところ、イデオロギーの衝突となる。
ただ普段は、そんなことを、じくじくと考える前に、世の中がせっせと動いていって、
常に現状追認のカタチで、我々も慌てて後を走っていかねばならぬ状態だった。
しかし今は、何だか日常にもぽっかりと、穴が開き、思わぬ、沈思黙考の時間が生まれている気がする。
よく分からぬが、うつらうつらと考えている。ワシは、どういう態度で行こうかと。
本当なら、今日は、厚木市文化会館で、
あつぎ舞台アカデミーの子供たちの、練習成果の発表会があったはずの日。これで卒業になる、中学二年生の子たちには、アカデミーの卒業式だった。
そして明日は、厚木映画祭だったはずの日。『レオニー』の松井久子監督と六角精児と、映画館がついにひとつもなくなった厚木の街で、映画の愉しみについてトークをするはずだった。
厚木に一泊して、厚木尽くしの2日のしようと思っていたのに。
んで、結局この数日、引きこもって、何をしていたかというと、
溜まった仕事をしこしこと片付けていた。
本当なら、先週ぐらいに上げていたはずのこと。
角館で、地震に遭ってから、何だか、考えがまとまらなくなり、いろんなことが遅れ遅れだ。
そしてとりとめない日記だけが、いくつか並んだという始末。
まあ、それも世の中全体のことであろう。
そんな仕事にひとつ区切りがついて、今日はこれから久しぶりに劇場に行く。
岡森が出ている、劇団協議会の公演。
思えば、わらび座の『アトム』で、震災の2日後に、能代の文化会館に行って以来の劇場である。