劇団四季と宝塚
目下、せっせと音楽劇を作っているワケであるが
ミュージカル業界では、人材は元四季と宝塚と、ジャニーズが三本柱ということになっている。
歌って踊れる役者なんて、そうあちこちにいないのだ。
そんな中、我が扉座も数年前から細々と、自社製作に取り組んでいたが
こうして、更に深く取り組もうとした時に、ふと気付けば
やはりこの法則にのっている。
今回出演の、小牧祥子と柳瀬大輔氏は元四季だし、今回初めてのお付き合いとなる、建守良子さんは元宝塚の男役さんである。
3人とも、歌って踊る部分で、圧倒的な実力を見せつけて下さっている。
そもそも 小牧と大輔氏は、四季の名作 ふたりのロッテで、ロッテその1とお父さん役だったという、人たちですからなあ。
大輔さんなんか、鼻歌がオペラになってる。
普段の声も、それはそれは良い声で、低音が脳味噌を軽くくすぐる。
それでいて、今回の役はワリとフツーのオッサン的な人物で、ワシが書いた、ちょっとスケベで粗雑なセリフなど
菅原洋一のような声で語るのである。
若者は知らんだろうが、ハンバーグみたいな顔した往年の名歌手だ。
その様が、とても趣き深く。
伴美奈子は、特に面白いこと言ってなくても、ずーっと大輔氏を見て、喜んでいる。
そして、ここ数日、ぐーっと存在感を増してきたのが、
たてがみりょうこ さん。
他に、タテガタさんという人が出ているし、
柳瀬亮輔と、松本亮がいるので、リョウちゃんも、紛らわしいし、
今のとこ、ガミさんと呼んでいる。むちろん宝塚時代は、男役的な芸名であられた。
この方が、ダンスも歌も、素晴らしい。
スタイルもスラリと決まっていて
ここ数日、ネバーランドに行って不在だった里沙の替わりに、代役で踊ってくれたりしてたんだが
はっきり言って、別物になっていた。
ネバーランドから帰還した里沙が踊り始めて、びっくりしたものよ。
リーちゃん、振りが違うよ。腰の位置が20センチ低いよ。もっと上げて。
振りではなく、体型が違うのだった。
しかも音楽的にも優秀で、そこんとこ、ハモったり出来るのかしら、なんて呟いただけで、その場で即座にハモりを聞かせてくれたりする。
さすが、宝塚音楽学校である。
もっとも、そこの出身者が皆、すぐ出来るわけではないだろうから、ご本人が優秀なのだろう。
それやこれやで、
思いの外に、レベルの高い人々が、集結し、取り組んでいるのである。
それで歌ったり、踊ったりしている。
こないだ、そんな稽古風景を眺めつつ、小牧祥子としみじみ語ったものよ。
扉座ミュージカル研究会も、すごい展開になってきたねえと。
2002年に、柳瀬亮輔が祥子を扉座稽古場に連れてきたところから、その歴史は始まったのだ。
わしらなりに、積み上げてきたんです。