冬物語 シェイクスピア・プロジェクト

 縁あって、監修ということになっている、明治大学のシェイクスピア・プロジェクトの公演の初日が昨夜。
 駿河台にある大きなビル、とても大学施設とは思えぬ、千人以上入る、ピカピカの大劇場があるのである。

 キャストもスタッフも極めて優秀なので、監修とは名ばかり、私は何もしていない。
 困ったことがあったら、アイデア貸すから言っておいで、といってはおいたが、

 ほとんど、自分たちで解決し乗り越えていた。口論や喧嘩も絶えなかったようだけど、
 本来自分の光で、輝くべきなのが若者たちである。

 そういう意味で、極めて正しい姿で、彼らは臨んでいた。
 ぶつかり合うことで発する光も、たくさんあるしね。

 で、とても良い舞台だった。

 小屋が大きすぎる上に、マイクなども揃ってないので、そもそも聞こえたって、すべて受け取るのは難しい、シェイクスピアのセリフが、聞きづらい箇所はあるが、
 皆がプロを目指しているわけでもないから、今以上に、多くを求めるのは、贅沢すぎるだろう。
 ゆつくり話せば、もっと聞こえるはずだけど、今のテンポが緩くなってはつまんなくなるしな。

 まあ、ワシらも三十歳ぐらいまでは、セリフの半分ぐらい、聞こえないとか言われたものよ。
 あの頃はセリフなんか、聞こえなくてもいい、気で伝えるのだ、とか言われてもいたしな。
 セリフを適切に劇場に響かせるなんて、数ヶ月で取得できる技じゃないからね。 

 でも、そんななかでも、かなりのチカラを持つ、数名が、きっちりと見せ、聞かせて、舞台を牽引する。
 学生の演出家もスタッフも、それぞれに個性を発揮して、借り物ではない自分たちの表現を追求している。

 夏前から進行していた、大事業である。
 その努力の積み重ねの上に、新しい才能や、知恵とセンスもしっかりと注がれていて、

 とても良い舞台だった。
 もっともっと大きな拍手が起きていい。
 むしろ、素人っぽい観客たちに、注文を付けたくなった私であった。
 このレベルまでやった舞台は、大喝采で、もういいですって本人たちがいうまで、拍手し続けてあげるのが、正しいあり方です。
 まして、無料の公演なんだから。
 もっと誉めてあげなさいよ。
 
 と、それぐらい、良い舞台である。

 公演は日曜日のソワレまで。
 多くの方にぜひ、観て欲しい舞台です。

 にしても、明治大学、たいしたモノです。
 我が母校とかも、これぐらいはやってるだろうか。



 

 
 


 


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