兄妹の再会

 今日、久しぶりに実家の中央林間に行った。
 いつ以来か分からないぐらい、ご無沙汰だった。今も実家周辺をうろつくのが習慣になっている、六角から、ご実家の辺り変わりましたぜ、と報告されていたが
 本当に様変わりしていたのに、驚いた。

 六角の実家とは隣町である。若い頃から何かと、実家を敵視し、嫌っていたはずの六角が、わりあいせっせと帰っているのに、
 わしはまったく放置していた。
 
 表の態度と本音は違うのかね。それが故郷か。

 それはともかく今日大事なイベントがあり、それは2年前、玉川学園前に住む妹一家のもとに貰われていった、我が家の愛犬・モーツァルトとポーシャの間に生まれた長男、ルーチェ。と我が家に残った女の子、ミランダとを再会させようというものであった。

 そのために、ミランダをカバンに入れて、ロマンスカーとか乗り継いで、中央林間に行ったのだった。

 本当はモー・ポーの父母も連れて行ってやりたかったが、ポーは女の子週間のため、そしてモーは、移動中にぜったいに静かにしないだろうと強く懸念されたため、
 留守番になり、
 この初の大事業は、おとなしく従順な、一族で最も優等生の、ミランダに担って貰うことになったのだ。
 そもそもモーは、親父のくせに、時にミランダに性行為を強要しようとしたりする、不届きモノである。
 まあ、犬だから、仕方ないのであるが。
 
 で、やっぱり犬だから、兄妹も久しぶりに会うと分かんないのかな。と心配したが、
 
 遠路はるばる、到着し、玄関先で、互いの顔を見るなり、ひしと抱きしめ合い、涙を流し始めたのには、驚かされた。

 もちろん嘘です。

 泣いたのは私ら人間チームです。

 何しろ、難産で、子たちもポーも死にかかり、祈る気持ちで泣きながら、獣医さんの手で、腹からひっばり出されるところを見守った、長男である。
 その後、スポイドでミルクも飲ませ、眼が開くまで、毎日抱きしめて育てた。

 その子と、我が家を去ってから、2年ぶりに再会したのだ。
 
 ルーチェは特に、そんな感慨はないようで、やたらチューしてくる変なオヤジとしか感じてなかったようだけど。

 元気で良かった、向こうで愛されていて良かった。
 でも兄妹も、何か感じ合うようで、

 普段、ミーちゃんが、他の犬と出会った時の態度とは明らかにどこか違った。

 辰年でも、うちは戌年です。

 
 
 
  


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