ブブカ のキモチ
さて、気分一新
今日から、幕末ガール出演者たちもガッツリ参加して、
利楽村のショッピングモールの片隅の空き店舗地で、
新作『げんない』の稽古に励むわけである。
しかし、千秋楽の舞台を経た今
前作『幕末ガール』がかなりハードルを上げていったと、思わざるを得ないのである。
そんな感動の千秋楽の模様は、扉座座員・岩本達郎氏の
ガン平ブログ に写真入りで紹介されている。
座員の肩書きを強調したのは、先日、若い劇団員から、ガンさんはもう扉座辞めたんですか、と真剣に聞かれたからだ。
そいつはガンちゃんが、愛媛で何やってるか、まったく理解していなかった。
どうやら、なんかやらかして私の逆鱗に触れ、左遷されたとか思ってたらしい。
ワシが、よく松山刑務所の話とかしてたし。懲役的な何かと思いこんだのかもしれぬ。
そして実は座内では、それがすっかり定説化していて、影でヒソヒソと語られているらしい。
座長が可愛がってる新人女優のケツに、酔って噛みついたのが、決定打になったらしい、とか。
恐ろしいところだ、都会は。
それはともかく、
左遷のガンちゃんは、出演者のくせに、そして、感極まってボロ泣きしてたはずなのに
舞台上までカメラを持ち込み、パシャパシャやってたのである。
でも心なしか、涙に滲んだ感じの良い写真だな。
ガンちゃんも一年、大変だった。左遷とまで言われてな。
でもそこでよく頑張って。
この一年はさぞ忘れられぬ年になったことだろうよ。
さて、ハードル問題。
今よりも更に進化させ、どこまでも右肩上がりで。と思うのは誰も同じ。
だが、世の中そう簡単にはイカンというのは、かつて世界一といわれた我が国の発展状況の一変で、痛感した。
デフレスパイラル なんてな。
オリンピックの記録更新だって同じ。
成熟した競技では、そうそう世界新は出ないもんだ。
棒高跳びで、大会ごとに記録を塗り替え続けた、ロシアのブブカ選手も
本当は一気に十センチぐらい超えられるのを、敢えてチマチマ一センチごと、とかで小刻みに、更新させてたけど
やがて、それが超えられなくなった。
しかしその記録は自分で作ったものなわけで
超えられない名誉と、超えられない無念が、自分の中に混在するという、極めて複雑なことになっている。
ま、比べるのも、不遜に過ぎるが
ずーっっとセコイとこで、
ちょっとそんな矛盾と葛藤を持ってしまった、小さなブブカのわしである。
それぐらい『幕末ガール』の最後の仕上がりは、たいしたもんだった。
これから作るモノが、あれを超えられるか。
こんなにたくさんの人に愛して貰えるか。
言っとくけど、コレ、観客動員とかの話じゃないよ。
あくまでも手応えの話。
オレらが、数字で語り出したら、終わりだろう。そこは役目が違う。そりゃ、当てるのも大きな責任だけど。
終わった時、客席で見てた『げんない』チームの表情は見えなかったけど、
ま、焦ってたことだろうよ。
他ならぬ、ワシがそうだからな。
もっと盛り上がれ、伝説になれと、祈りつつ、もう一方で
それぐらいでいいだろう、
次に来る人たちのことも考えろ、
改善の余地をのこしてくれ
と慌てていた。
ま、とはいえ
『幕末ガール』だってね、開始から、手放しで迎えられたわけじゃないしな。
前作の方がずっと良い、ああ、懐かしい とか面と向かって、はっきり言ってく人もいたし。
ついこないだも、話の筋がサッパリ分からんという人もいた。
でも、そこに基準を合わせたら、ワシ的に、納得出来なくなるから、分からんと言われても、分からん方が悪い、というぐらいの気合いで行くしかなくて。
要するに、信じて進むしかないんだな。
常に最新作が一番の傑作なんだと、どこまでも信じて。
終わったことは、忘れて、次に行くよ。
あれほど興奮してた『つか版・忠臣蔵』のことだって、わしゃもう忘れたけんね。