身内が 良いと言わないと
ふたつの意見がある。
身内が良いと言わないものはダメでしょ。
身内が良いと言うようなものはダメでしょ。
どっちも真だなと思う。
うちの両親なんか八十だからね。八十か喜ぶことばっかやってらんないし。
でもね、さっき、わらび座温泉 ゆぽぽの朝風呂行って、濡れた髪のまま、油断だらけの姿で館内をのそのそ歩いてたら、
というのも、もはや宿泊客もほとんどいなくて、居るのはわしひとり状態だった。
施設のお客さん係の方が、駆け寄ってきて
先生っ、寂しいです、幕末ガールが終わって、アタシ大好きでした、五回見ました。セリフが早いから、五回目でやっと全体が分かったんですけど!
と抱きついた。
油断だらけで、湯気の立っている風呂上がりオヤジに。
いつも朝食のお世話なんかしてくれてる旅館スタッフ。
三年ぐらい前から、ここに来てるけど、ちゃんと会話をしたのも初めて。
どうしても申し上げたく、待ち伏せしてたんですよ、と。
こういう身内が喜んでくれたのは、しみじみ嬉しい。
お客さんにお茶いれつつ、劇場公演をご紹介する言葉もきっと力があっただろうしな。
良いですよ、幕末ガール、って。
この劇場、角館にありながら、実は地元の人たちのすべてが見に来るわけではないらしい。
かつては新興宗教施設のように地元から白眼視された時期もあったらしいし。
でもここに働いているのは、地元採用の人とかバイトとか。
そういう人たちが、劇場の側に居ることを楽しんでくれて、時に自慢にしてくれる。
これはちょっと、自慢したい手柄だぞと、思った。
大千秋楽が終わった翌朝の風呂上がり。
良い朝でした。
今日はまたまたまた こまちに乗って、盛岡公演に。
アトムへの伝言 は激烈に進行中。