新歌舞伎座

 舞台稽古に取りかかっている。
 中日劇場よりも広い舞台なんだそうな。しかし、まったくそう見えない。
 客席が舞台にググッと迫っているからだろう。

 二階席三階席も極めて舞台に近い。

 とにかく客席をぎゆっと詰め詰めにしている。

 こういうと、ダメな感じに思う方もいるかもだけど、劇場は、人の気配が充満しやすい方が良いのです。
 ゆったりした座席とか、となりとの余裕なんか、あり過ぎてはあんましよくない。
 
 劇場のイスは
 寝るためのイスじゃないんだから。

 今日は宙乗りのテストから始まったけど、演舞場と比べても、近い近い。
 当然、この芝居には向いている。

 客席立ち回りは、明日からの稽古になるけど、これもまた狭い通路でやるわけで、
 お客さんも油断してたら、斬られる距離感だと思う。

 でもたぶん、それが面白くなると思う。

 中日で手こずった、大仕掛けの数々が、今日はサクサク進んでゆく。
 それは、あの時、深夜まで試行錯誤し、突破口をみなで作ったから。
 
 テクニカルに躓かないぶん、芝居に手間暇かけられる。
 前回公演より進化させなくちゃ、申し訳ない。

 そんなこんなで、支度の進む、新水滸伝であります。

 
 猿翁さんが最後の稽古に来てくれてね。
 わざわざ私に色紙を書いて持って来て下さった。

 信ずれば 夢は叶う  

 と。
 スーパー歌舞伎・新三国志のテーマメッセージだ。
 しかと抱きしめて、大阪入りしてきた。

 ところでこの時、みなで記念撮影したんだけど、とつぜん猿翁さんがポーズを取りだして、一同、それに倣いました。
 扉座のフェースブックにアップしているのは、その中のいちポーズ。
 
 他にも5、6ポーズあるはず。

 しかも、基本 イヤミの、シェーみたいなもので、かなり珍妙なことになっている。
 旦那が来て、一同ガチガチに緊張していたのが、それで一気に場が和んだ。
 
 何かやらずに、おられぬ人なんだ。
 人を喜ばせることを。

 
 
 

  
 


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