いくぞ初日 

 昨日ゲネを終えて、細かな課題を修正し、今日初日。
 
 ついこないだまで、巡業歌舞伎をやってた人たちが、一週間で『新水滸伝』の人々になっている。

 おそるべし歌舞伎俳優。
 
 ところでかけ声運動。
 昨夜のゲネで、どこかの方が三階から、かけ声をかけていた。良い間で、良い声で。

 大向こうさん(かけ声かける人)がゲネにいるというのは、どういう仕組みになってるのか、門外漢の私はその事情は知らないが、
 スタッフしかいない通し稽古のシーンとしたなかで声が響き、なるほどこうかけるのかと勉強になった。
 
 んで、
 笠原章さんにも、たくさん声がかかる。

 笠原さんは、新国劇の流れをくむ、劇団若獅子 の代表である。だから、かけ声もよく似合うんだけど。

 わかじしっ!!!

 と。
 語呂も良い。

 ところがその後で、我が扉座の手勢が、セリフをいうシーンがあって、
 まあ、そこはなかなか良いシーンなのだが

 かけ声の方がとても気を利かせて下さり、良きところで

 とびらざっ!!!

 と言ってくれた。
 が、わかじしっ! に比べて、かなり間が抜けるのね。

 とびらざ、だもの。
 なんか烈しい格闘技の世界に、文化部員たちが紛れ込んでしまったみたいな……

 舞台の上の人たちもたちまちニヤニヤしていた。
 
 で、今のは横内がかけたんじゃないか、みたいな気配がさーつと漂う。
 ちげーよ、オレじゃねーよ。
 
 その時
 もっと、かけ声の似合う別名考えようと思った。
 市川さんたちが、おもだか屋になるように。

 わしらも、荒獅子 とかな。

 しかし、そこ以外は、やっぱりかけ声が似合う舞台である。
 お客様にはぜひワアワア楽しんで頂きたい。

 もちろん、アタシも今日は楽しませて貰うつもり。
 
 ともに盛り上がっていきましょう。




 
 

 
 






 
 
 


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