融合

 阿呆鴉のプレ稽古を扉座でやった先月

 殺陣師の 前田さんが、若手俳優たちに殺陣指導していて

 これぐらいの殺陣は 太一君は5分で入れます。

 と言った時、ふうんと話半分で聞いてたが
 今、毎日その有様を観て

 本当にすごいなと感心している。

 早くて強くて美しい。

 それをアッという間に仕上げる。
 一通り先生のフリをみて、軽く合わせたら
 次にはもう出来ていて、しかも早回しになる。

 まさに、ひとりモーションキャプチャーや。
 


 今、大阪新歌舞伎座『新水滸伝』でやってる、おもだかチームの立ち回りも
 素晴らしいと思うけど、

 さらにショウアップされて、若々しく躍動する。
 刀がクルクル光を放って回ってな。
 別に電飾入れてないのに……

 物心ついた時から旅芝居の舞台で、カラダに埋め込んだキラキラ技なのだろう。

 そんな太一くんと、これもおもだかチームの戦友・市川月乃助 が組む公演だ。


 新水滸伝初演の頃、月乃助は若い頃の酷使で、膝を壊していて舞台を休んでいた。
 で、新水滸伝で適当な役がないのであるが、

 お陰で、こっちに出られた。
 


 彼は段治郎といっていた。
 新三国志完結編の時、病で倒れた師匠の代役で3ヶ月、主役を代演した人である。

 新橋演舞場での大楽、大泣きしながら宙乗りで三階に飛んでいった姿は、今思い出しても、胸が熱くなる。
 こちらは歌舞伎の人。


 そして私は今でこそ、いろんなとこで、いろんなことやってるけど

 学生劇団からの小劇場の人である。

 思えば、バラバラ。
 時代が違えば、重なり合うはずもない、フィールド。

 でも、今確実に、重なるモノ、通じ合うモノを感じつつ、取り組んでいる。
  
 暑い日々。
 町ゆく人たちは皆、バカンスモード。
 だけどな。


 わしはまた1点も日焼けせず。この夏を超えるよ。
 
 
 
 


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