そんななか、厚木にもいく

 稽古場の都合で、『浪花阿呆鴉』の稽古はオヤスミ。
 
 私は深沢監督からすでに送られている、『バイトショウ』の音楽を朝から聞きつつ、

 厚木に向かう。

 厚木では舞台アカデミー公演『ドリームドリームドリーム3』の稽古中。
 こちらではクッシーとか、川名とか、迷子・リサたちが張り付いて、私の影武者をやってくれている。

 迷子リサとは、ピーターパンに迷子役で出ていた、鈴木里沙のことである。

 早乙女太一の世界から、小学生の世界に切り替え。
 しかも次の課題に取り組みつつ。

 アタマがどうかなりそうである。

 だが、厚木市文化会館に着くと、子供らは上野先生のボーカルレッスン中。
 その声を聞くうちに、たちまちドリーム魂に火がつき、
 そこから予定時間ギリギリまで、
 
 子供ら相手に、本気になって稽古する。

 やってて我ながら驚くのは、基本、大人のに役者たちに対して言ってることと、子供に対して言ってることがほぼ同じなこと。

 子供らは、そんなこと知っちゃいないだろうがね。

 芝居に素人も玄人も、大人も子供もないということだよ。

 そういえば、新歌舞伎座絶賛上演中の『新水滸伝』も
 セナとダイチ というふたりの子役が日替わりで、とても大切な役を演じてくれている。

 6月の終わり頃、20人近くの子役さんに集まってもらってオーディションをした。
 みな、すごい履歴の持ち主たち。

 なだたる名優たちと競演歴があり、ものすごい数の仕事をしている。
 正直、たまたま置かれていた扉座メンバーのプロフィールが甚だしく見劣りする、売れっ子キャリアであった。
 
 そんななかで選ばれたふたりの少年はかわりばんつで、今、大阪のステージで大人たちの紅涙を搾り取っている。
  
 大人たちは、うまいねえ、泣かしよるで〜 といいつつ、子供の芝居に泣いている。
 今や、このシーンは新水滸伝には欠かせぬ名シーンである。
 

 さらにそういえば
 太一クンも、子供の頃からやってる人である。

 今21、2歳のはずだけど、四十過ぎのような存在感だ。
 たまーに同世代の若い役者と雑談中に見せる、素顔に若者の顔があり、
 ああ、そうだった、この人とっても若いんだったと、思い出す。

 厚木の子供たちも、今からこんだけやってるんだからな。
 そのうち、何者かに本気でなっちゃう者もいるだろうな。

 と思いつつ、大人に対することと同じようなことを、言って、稽古してきた私だった。
 ちなみに厚木の超人気コンテンツ、舞台アカデミー公演は、すでに完売状態です。
 キャンセル待ちなど、厚木市文化会館にお訊ね下さい。


 で、また今日は、
 大人たちと稽古。

 

 


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