バイトショウ

 今、扉座は新作『バイトショウ』の稽古にとりかかっている。
 作曲で音楽監督・深沢桂子先生の、ピアノ一台の生演奏でヤル、もはやごまかしの利かぬ、ガチンコのミュージカル。

 今までのとはチト、ハードルが違う。
 録音が使えないんだよ。 

 ま、そのために、五十嵐可絵、柳瀬大輔 というそのまんま、かの劇団四季とかで、メインやってたプロ中のプロに加わって貰っているんだが

 それでもジャマイカ人が、ボブスレーでオリンピック目指すような話ではある。

 ところで、本作
 台本は、新水滸伝~浪花阿呆鴉 への怒濤の夏に突入前に、書いてたけど

 歌詞は、昨夜まで完成していなかった。
 なにせMナンバー
 20まであんのよ。

 芝居の合間にちょっと歌うなんて、話じゃないんだ。

 その曲たちは、深沢さんから8月の終わり前に、届いてたんだが
 その時、阿呆鴉の佳境でな。加えて、ドリームドリームとかもあってな。

 大阪に行ったら、稽古以外は、ずっとホテルに籠もって、ひたすら作詞をするんだよ、とか自分に何度も言い聞かせてたけど、

 この稽古が午前11時~午後10時で、ガッツリでさ。


 つまるところ、予定の半分も進まなかった。

 それで、阿呆鴉が開幕してから、またまたまたまたまた、煩悶の日々に突入ですよ。
 ホットする間もなく
 創りあげた、感慨に耽る暇もなく……

 切ないぜ
 しばし二ヶ月続きの大阪慕情に浸りたかった。
 
 しかしっ、
 ミュージカルで曲が出来上がってないのは、台本が書き上がってなのと同じだからね。
 由々しいことだよ。

 何度も何度も、曲を聴いて、
 楽譜は読めないから、ひとつひとつ音符辿って、指折って
 俳句というか、浄瑠璃というか

 しかし、七五調とか簡単なリズムじゃないからな。
 特に私は、常に曲先行でお願いしてるから、後攻めで、言葉あてるのが大変なのよ。

 しかし諸君
 ついにだよ
 
 思えば昨年の暮れあたりの 『げんない』の執筆に始まり
 ずうとずうっとずーーーーーーーーーーーーっと

 書いては稽古して、合間に打ち合わせして、稽古して、書いて
 旅しつつ、書いて、書いて書いて、
 みたいな日々が今まで、続いていたのが

 昨夜というか、今朝というか、
 ついに最後の曲の歌詞が、とりあえず書き上がり
 
 一段落だよ。
 とうとう来たよ。言葉探しから、ひととき、離れられる時が……

 稽古はあるけどな。

 もう夜明けと共に起きて、PCにむかうことはない。
 なんかしながら、アタマのどこかで別のこと考えなくて良い。
 
 ホント、時間がなくて、このところ数ヶ月
 ひたすら早朝勝負だったからな。

 おかけですっかり早起きオヤジだよ。
 
 夜中の歯ぎしりで、アゴはガクガクしてるし
 肩は、まだ痛く、あがらぬし
 ずいぶん、無理してきたけど

 あと、ひとがんばり
 これをやり遂げて、

 今年は、よくやったと自分を誉め称えたい。
 そしてもういいよ、と10月の終わり頃、優しく肩をたたいてあげたい。

 そのためにも、この無謀にしてロマン溢れる、ジャマイカ人のボブスレー挑戦を、なんとしても成功させたい。
 じゃなきゃ、ここまで踏ん張った甲斐もないもの。

 深沢さんにまずは気持ちよく、メロディを創りあげてもらった
 曲先 の威力、すさまじく

 怒濤の三連符 繰り返し、どこで息継ぎすんだい、という、カッチョいい
 曲の数々が生まれつつある。 

 とにかく
 
 ボクは、がんばりますよ。
 



 


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