ありがとうございました。

 今日の舞台はまだこれからだけど、
 どうにかこうにか、辿り着きました、千秋楽。

 2013年、怒濤の、試練の7連チャンの締めくくり。

 よくぞここまで来たと、自分で自分を誉めてやる日です。
 窓の外を見れば、気持ちよすぎるような、真っ青な快晴。

 やったあ、というより、ただただ、ホッとするキモチが一番だけど
 ジワジワと開放感が襲ってきそうな予感です。

 にしても『バイトショウ』、我らの予測を超えて、皆さんに喜んで頂いた気がします。
 気になって、ネットなどに書かれた感想など、覗き見していましたが、かなり分かってくれてる感じがあって、心強かったです。
 応援して下さった皆さん、ありがとう。

 かなり手探りで、取り組んだ新機軸であったわけですが

 そこには、深沢桂子さんはじめ、信頼するプロフェッシュナルたちのチカラが大きく。
 我らのなんちゃってミュージカルを、高いところまで押し上げてくれました。

 財産になる演目だから、ぜひ大事にして下さい。
 と
 いろんな方から、同じようなことを言われました。

 そろそろ解散するぞと、言ってる昨今、
 新たに財産なんか作って、どうすんだ、というツッコミも受けつつ

 大失敗して、無惨に潰すことだけは回避したいと願う私としては、
 これまた、ホッとする励ましとなりました。

 『バイトショウ』とミュージカル路線、今後どうしてゆくか。
 仲間たちと相談していきます。

 にしても
 歌とか、踊りというのは、目に見えて、耳に聞こえて上達するものだなあと思うねえ。

 ま、うちの人たちの場合、伸びしろだらけで本番迎えているということだろうが
 にしても
 芝居はこんなに、分かりやすく上手くなりませんよ、経験上。

 でも歌と踊りは、こうして毎日やり続けてたら、確実に上手くなる。
 いくつかのナンバーは、確実に稽古より初日より、格段の差で進化しました。
 
 今度ゆっくり語ろうと思うけど
 役者は、こういう芸をしかと身につけるべきですな。
 毎日の修練によって、伸びてゆく芸。

 歌とか踊りとか、殺陣とか、アクロバットとか。
 早乙女太一さんを見てても思ったけどね

 あの高速の殺陣は、素人にもスゴサの伝わるモノ。
 しっかり金の取れる武器である。
 長年舞台で培われた、カラダのこなしの美しさ、見事さも、そう。
 お兄ちゃんや可絵ちゃんの声量、歌声の美しさも、素人が聞いても、稀なるモノで、そこらに転がってるもんじゃない。

 そら芝居にも、そういう上手さ、面白さはありますよ。
 でもそれは、極めてハードルの高いもの。
 そして毎日修練したとしても、必ず上達するという保証はない。

 そこにはセンスとか、感性という説明の難しい要素が必要で、どうやらそれは教えるとか教わるとかとか、単純化して人から人に伝達するのが極めて困難な技術なんだな。
 33年劇団やってきて未だしみじみ噛みしめる、大きな謎と難しさだよ。
 
 でも
 伝承のシステムをきちんと築いている、芸事は、そりゃ才能の大きい小さいはあろうけど
 とりあえずの努力を裏切らない。
 むろん極めた先に、才能とか、優劣の問題は残るけど
 素人目にも違いが分かる、とりあえずのプロにはなれる。

 現代劇に生きる人たちが、バイトで生きてかなきゃいけない理由がそこにある。
 何しろ素人と区別がつかんのだ、この分野の、大半の営みが。

 舞台はまだしも、映画テレビになると尚更ね。
 素人の方が輝いたりする。

 そして効率よく金になるのは圧倒的に映像の仕事なわけで
 そりゃ、食えないよ、簡単には。
 
 そんなことを、今更ながら噛みしめた、試みでありました。
 
 でもね、こうしてやってみると、正直半信半疑だった、劇団員たちも、
 音楽の喜びにひたり、歌やダンスへの苦手意識も、どんどん薄れていっている。

 また新たなことを知った、公演でした。

 では最後の舞台に立ってきます。
  

 


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