演舞場

 ちょいと稽古をサボリ、
 ナツひとり を見に行く。
 マキノノゾミ氏の脚色・演出。

 きっちりと泣かされました。
 橋田壽賀子先生とマキノ氏って、一見合わなそうなんだけど、見事にフィットしていたな。
 泣きたいところに、手が届く、両先生ともに涙のカリスマである。
 そして演出しているマキノ氏本人が、誰よりも泣いてる顔が、思い浮かんだものよ。
 
 もっとも、
 ところどころ、マキノらしい、そんな余計なコトしなくても、みたいな部分は光り輝いており、小劇場魂を垣間見せていて痛快でもある。
 普通はいろいろ慎重になってよそ行きになってしまいがちな 花道使用 も、こんなの道やんけ、みたいに遠慮なくガンガン使う。

 そのお陰で、スピーディな展開になっていた。まあ、本音を言えば、花道なんかないもう少し小さい劇場にかけるべき芝居であると思うがね、
 
 ロッカーが年老いて行くとき、どーなるか。
 これは私の一つ上の世代のテーマだった。
 これにはストーンズや、矢沢がそれなりの解答を示してくれていると思う。
 
 我々のテーマは、小劇場が、年とっていくとき、どーなるのか、だ。
 いわば同じ川を下り行くライバルというべき、人であるが、ともにその解答を探して行きたいと、思った。
 
 にしも、仲間由紀恵さんは、逸材である。
 彼女なしであったら、この舞台の成功はなかっただろうな。
 そりゃ大地真央さんだって、そーなんだけど、
 でも、仲間さんは、ほとんど初舞台に近いような方なんですからね。
 大地さんみたく、ヤル前から、ある程度の計算が立つワケじゃない。
 
 なのにマキノ氏は、かなり無茶なことさまざまやらせている。
 それを堂々と受け止めて、自分なりにちゃんと咀嚼し、舞台に乗せているのである。
 手放しの喝采を送りたい。

 累央は、なんと仲間さんの息子役。
 でも、花形満みたいな、若造の頃より、初老になった時の方が、どこかしっくりくるのは私だけか。

 てか、まあ、それなりの歳なんだよな、本当は……

 はるか、15年以上前、京都の演劇祭で上演された『きらら浮世伝』が、私とマキノ氏との出会いである。
 
 その時に、セリフ一つの花魁役でデビューして、その一つがまったく聞こえなかった、勝平クン(現MOP)も出てた。
 しかも、この広い劇場で、いっぱいセリフを言って。
 感無量。

 長生きはするものである。
  
 元座員の石坂君も、変わらぬ味で出てた。



 で、そんな大巨匠・マキノノゾミ氏も作品を提供して下さっている、

 LOVE LOVE LOVE R36

 さらにご期待下さい!

 


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