始動するぜっ

 昨日、幻冬舎に行って、見城さんと、岡森と私と。公演当日に皆さんにお渡しするパンフ用に、座談会をしてきた。
 まだ稽古は本格的には始まっていないんだが。

 前回公演で、見城さんがお誘い下さった方々は、皆さん、喜んで下さったようで

 今回さらに期待は膨らんでいるからね。
 出版界、放送界、映画界~いろんな人が観に来る予定になってるからね。
 オレも責任感じてドキドキなんだよ。

 紀伊國屋ホールは、確かに我々の聖地だけど、初登場からかれこれ25年ぐらい公演はし続けているワケで、いよいよ紀伊國屋ホールだからって、実はそんなに心配はしてなかったのだけど
 そんなお言葉を聞いているうちに、なんかすっごく不安になってきた。

 こりゃぜったい失敗できねえよ。
 
 紀伊國屋討ち入り、何としても大成功させなくちゃ。
 24歳の時、初めて紀伊國屋ホールで公演した頃の、ドキドキ感が、突然甦ってきた。
 聖地の聖地たる所以であろうな。
 そして、見城さんとの再会の重みを深く噛みしめる。

 あの時もそうだった。24の時、善人会議の名は小劇場界ではちょっとは知られていたけど、一般的にはほぼ無名だったボクらの公演に、
 見城さんがいろんな人を連れてきて下さって、僕らの名を世に広めて下さったのだった。
 つかこうへいさんも、見城さんが、強く勧めて下さって、我々の公演を見に来て下さった。

 正直、今の時代の敏腕テレビプロデューサーとかは、もはや私よりずっと年下だったりするワケで、今更、ご紹介を受けて、ここからどうこうもないんだけど、
 それでも今の時代の先頭を走っている方たちに、我々の今の舞台がどう受け止められるのかは、とても興味深い。

 何だか、再デビューみたいなことになってるけど、ここでまた新たな心持ちになれることは有りがたい。
 稽古もまもなく始動するが、スカイツリー篇とはまた少し変化してゆく。
 時期的にも場所的にも、スカイツリー・メインには出来ないからな。
 
 今、紀伊國屋ホールでやるにふさわしい内容に改訂してある。
 それは見にいくたび常に新しかった、つかスタイルの踏襲でもある。

 あとこの聖地でも、学生限定無料公演、無謀ナイトをやります。
 四百席完全無料招待の、大大大太っ腹である。
 これも幻冬舎様のおかげ。

 近くにいる学生諸君に、お声掛けよろしくお願い致します。とにかく見にいけと、勧めて下さい。
 私の演劇の歴史も、訳も分からずただ先輩に『熱海殺人事件』を奢って貰って、観たことからスタートしているのですから。
 その時はつかこうへい事務所の名も、俳優たちの名も、まったく知らなかったんだから。

 一年間、坊っちゃん劇場で公演した『げんない』がこないだの日曜日で千秋楽を迎えました。279回、9万人弱の人々にご観劇頂いたそうです。
 場内が自然に総立ちになって拍手して下さる、素晴らしい公演になりました。

 想えば、私の日記が珍しく炎上する、
 『観客マナー騒動』で幕を開けた、この公演。しかし愛媛、松山、東温市の方々が本当に熱心に支えてくれて、地方劇場のオリジナル作品ではあり得ない成功を収めたと思います。
 愛媛の中村知事が、ロビーに立ってる私をみつけて、わざわざ駆け寄って下さり、
 そのことにも触れて下さいました。
 これから、行政マンたちの文化意識もしっかり向上させていきますと、仰られて。

 マナー違反が県庁関係者だったか、定かでもないのに、そのことをちゃんと知っていて下さり、一年後にそれを忘れず、こんなことを言いに来る知事は、信じられるなあ、と不躾ながら感心しました。
 
 坊っちゃん劇場はますます発展するでしょう。そしてまた、この奇跡の劇場で、次の作品を作る機会が頂けるよう、頑張っていきます。

 そして『げんない』は、4月から年明けまで、今度は秋田・角館『わらび座』で上演されます。明日からは、その稽古でしばし、角館に。こちらはまだ雪という噂……

 
 
 
 
 


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