広井王子 さん
金曜日に、扉座研究所で、広井王子さんの特別講義があった。
通常のレッスンとは別に、特別講師を招いて、お話しなどして頂くのである。
来月は「北の国から」などの監督の、杉田成道さんに来て頂くことになっている。
はっきりいって、駆け出しの、新人達にはちょっともったいないような講師である。一流企業のセミナーなんかでも引っ張りだこの方々なんだから。
広井さんも、多岐にわたり、タメになることを様々、お話しして下さった。
そんで私も聴講していて、驚いたのだが、とにかく、お話しがお上手。
まあ、ラジオ番組とかお持ちだし、落語とか大衆演芸とかに精通している方だから、むべなるかな、ではあるけれど、
にしても、金の取れる、話し手なんだな。
この方、デジタルの世界の巨匠、というのが世間一般の通り名だけど、
超アナグロ生身芸も一流であった。
私や扉座と広井さんの関係は今更、説明するまでもなかろう。
今回客演して頂いている、井之上さんと麻生さん、お二人とも、元はと言えば、広井さんとの仕事で、出会わせて頂いているのである。
なにげに、広井さんは、ライブや演劇界でも、大きな存在感を示しておられるのだ。
ただ、ご本人が、何についても、素人っぽいポジションでいたそうにしておられるから、
世間が騙されているだけだ。
私は何も生産しない、無為のモノでありたい。
これが口癖であられる。
何億円て売り上げるヒットゲームとかたくさんプロデュースしておきながら。
そんな広井さんが仰有った。
君たち(役者たち)は、ごく普通に働く人たち、普通に暮らす人たちに対して、その中にこそ、幸せと夢があるのだと、伝えてあげることを仕事にしているのですよ。
芸人、役者なんていう、普通でない者の、心得。
普通の中にこそ、幸せと夢がある。
ということは、
普通でない暮らしの中には、幸せや夢はない、ということにもなるんだけど。
その通り、
かりにも芸人や役者が、
通り一遍の、幸せだの夢だの、望んではいけません、よ。
駆け出しの研究生なんかより、
もはや、それで食っている者こそが、
しかと胸に刻むべき言葉かもなあ、と私は思ったのだった……
さて、今日は初通しがあった。
すっごく長かったらどーしようと心配だったけど、
きっちり2時間の感じ。
もう少し刈り込むと、更に見やすくなるけどな。
しかしこれねえ、
真剣勝負だよ。バトルです。
作品もそうだけど、役者もね。
しかも、得意技だけ出せばよいのではなく、取っ替え引っ替えいろんな役をヤル中で、
苦手な分野や、短い出番の中で、
とにかく何か見せなきゃいけないという、過酷な試練。
腕の見せ合いと言うか、技の競い合いと言うかね。
そういう意味で、すっげースリリングだなあ、と。
演劇関係者や本当に芝居の好きな人なら、その辺りのこと、きっとよーく分かってくれると思います。
そんな『LOVE×3 R36』
一週間後に、厚木からスタートします!
ちなみに、私も作家として、そのバトルに一応参加しています。
でも、なんちゅーか、
反則ギリギリの攻撃みたいな短編であります。
さまざまな条件を踏まえて、必死に頭を捻った結果です。