弟子たち
『おんな武将 なおとら』
特別に出演してくれる俳優が数名いる。ひとりは、殺陣師のニシやん。
サクラ大戦歌謡ショウ なんかの出演者でもあった元アクションスターで、うちの殺陣は長くやってくれている。その方が、今回はご出演までしてくれる。
もうひとりは、元研究生の パク・チョンヒョ。
創立劇団二十周年記念、ハムレット・フォーティンブラスの時も、助っ人で呼ばれて、岡森の手下の役を演じた役者。今回13年ぶりに呼ばれて、また手下をやる。手下名人。
扉座研究所を出て、シモキタなどで仲間たちと活動をしてきた役者。かなり歳を重ねて、手下ぶりにも味が出てきた。
そしてそして、チラシに間に合わなかったんだけど、
子役が出る。リアル小学生の俳優。
『フレンド』組で、稽古場に通し稽古を観に来た、中原三千代が、
大河ドラマみたいだったよ。と言ってくれたが
その時は若手が代役でやっていた。何せ小学生だから平日は、来れないんだ。
あの役は、本当の子供がやるんだと、教えてあげたら、びっくりしていた。
扉座の長い歴史の中でも、初めての 子役登場である。
そしてそしてそして、この子役たちは、子役派遣の事務所からの借り物でなく
みな私の弟子である。
あつぎ舞台アカデミー の生徒たち。
今回は男の子ふたりが毎公演、登場して、演じてくれる。
素人じゃない、ちゃんと演技のレッスンを積んできた子たちである。
出演スケジュールがやっと決まったので近々に、お知らせしたい。
にしても我ながら
こんな弟子までいるのである。
ジャニーズばりにジュニアまで、いる。
ジュニアと言えば、こないだNEWSの増田君と話した時、初舞台の話題になって
彼は東京ドームのキンキのライブで、舞台下のジュニアラインの端っこ、で踊ったのが初舞台なんだということだった。
ただただ、大きいなあ、スゴイなあ、と客席を見上げてたって。
そして何年か後に、NEWSのドーム公演が実現した時、登場で上空からゴンドラから降りてくる演出で、足下の客席を観つつ
涙が噴き出してきて、大泣きで歌えなくなったんだと。
まっすーなんかは、大成功組の方だと思うけど、厳しい競争の中、悔しい思いなんかもいろいろあって、それでも歯を食いしばってがんばって、舞台下から、だんだんに舞台の真ん中に近づいていったのだろう。ジャニーズや、AKBの子たちの強さは、そこなんだろう。楽して来てない。
ま、今回の弟子たちはそんなに厳しい戦いで来てるワケじゃないけど。
私たち大人の真剣勝負の場に、混じるワケで。
気楽なものでは決してない。
私も普通の子役さんたちに要求するように、見せて欲しいモノを遠慮なく、彼らにリクエストしている。それを、ハイ、ハイ、と聞く彼らが頼もしい。
ま、俺らの課題は、初舞台は扉座の『ナオトラ』でしたと、いつか彼らが語ってくれる時に、
おお、それはスゴイ、レジェンドじゃん、と未来の人が驚いてくれるような、作品に仕上げることであろう。
グローブ座の東京公演は、日曜日にいよいよ千秋楽、いろんな人が、良かったよ、とメッセージしてくれる。感想は、アイドルの舞台じゃなくて、作品そのものとして評価してくれるものばかり。それが嬉しい。敢えて、難しいことをやった甲斐があったと、安堵。この安心感で、しばしホッとしたいけど、そんな場合じゃなく、
そして座高円寺では、そろそろ最終の仕上げ。今日は衣裳が出来てくる。