始まりました

 おんな武将 NAOTORA

 初日を無事に終えました。昨夜は、演出助手の座席が何かの手違いで、隣になくて、ただじっと見守るしか手がなくなった。
 いわゆる、演出チェックみたいなやつだが、普段はあそこ違うべぇ、間違ってるべぇ とかブツブツいいながら、舞台を見守るのである。

 それを隣で助手がメモする。

 しかし隣はお客様だったから、ブツブツ言うわけにいかず、あきらめてじっと黙って見ていた。
 でも、おかげで、すごく没頭できた。
 メモ取り前提は、どうしても細部の粗探しになる。
 あきらめたら、よく全体が見えてくる。
 普段は、3日目ぐらいから、だんだんそうなって行くんだけどな。
 
 没頭した結果、最後は何か、とてもしみじみと、してきた。
 しみじみ出来るほど、まとまっていた思う。 
 ラストには、よし、と心の中で呟けた。

 そしてたちまち感慨にふけった。
 作品の出来もさることながら、よくまあ、
 友 ~ 虎 へ。二つの初日を開けたなあ、と。

 これがひとつは再演とか、ちょっと軽めの小芝居、ならともかく。
 ふたつとも、フルコース・ディナーみたいなやつだ。
 
 お付き合いくださるお客様も、かなりの食いしん坊でいてくれなきゃ、味わい尽くせないだろうけど
 ぜひ、受けとめて頂きたいと心から願う。

 おんな武将 NAOTORA

 は今の扉座にしか出来ない、作品に仕上がった。
 そして今の私にしか書けないモノだ、と自負できる。

 加えて、ひとつ。
 多くの方が、思ってる、女優・有森也実とは、ひと味違う印象の也実さんをお見せ出来ると思う。私が一昨年、劇団EXILEの『影武者・独眼龍』の也美さんの演技で感じた、舞台女優の大きさみたいなもの、今回は小さな小屋で、大きくクローズアップ出来たと思う。
 20年前、木村拓哉さんの舞台で出会ったとき、我々はかなり若かった。
 今、それぞれにキャリアを重ねてきて、再会し、新たな作品を創った。
 あの時は、まだ
 ただただ若い劇作家と、期待の新人女優だったろう。

 今はお互い、まだやってるんだね、なんて言われてしまうようなお年頃。
 でも、今だから、表現できることが、ここにはたくさん詰まっている。
 素晴らしい作品、カンパニーは、うちらに限らずアチコチにあって、今夜も星の数ほど上演されるだろう。
 でも、こういう、時の積み重ね、キャリアの集積みたいなものは、若い者たちにはまだないはずだ。
      
 まだやってる、ことの意味、その凄みを、お見せしたいと思う。 
 それを也美さんは、ますます美しく、見せてくれるはず。

 高円寺は、11月3日まで
 厚木は、その次の土日。
  
 お待ちしています。 

        








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