18回目のラブラブラブ
18回目のラブ×3 が昨夜開幕した。
11日まで。
最初の頃の記憶がまだはっきりとある。千本桜ホールという、小さな小さな小屋で始めた。
身の丈に合ったオリジナル作品を見せなきゃアカン。
創りだす集団でありたい、扉座の基本姿勢であった。
ロミ・ジュリの基本ラインは確か、その時から。研究生の実体験を元にしたエチュードから作品をまとめていくのも、第一回からやっている。
で、忘れもしない、縁あって原宿デビエスという、原宿のど真ん中のイベントスペースを借りてやってた、4回目ぐらいの時から、スクラムを始めた。
オシャレの街・原宿を、ラグビー姿で、ラブラブ叫びつつ宣伝ランニングしたのがずっと踏襲されて、今も蔵前橋通り辺りを駆けている。
第1回目に22歳だった研究生が今は、40歳である。
良い初日であった。
いくつか担当作は持っていて、細かく見なきゃいけないところもあるんだけど、かなり仕事を忘れて楽しんでしまった。
そして、いつものごとく、来し方行く末を思い、出会った人たち、別れた人たちを思って、泣く。
ラブ×3には、私が勝手に掟と決めた、決め事があって、
いくつかの歌、ダンス、シーンは、
必ずやることとなっているんだけど、
時が重なる程に、しみじみと思うことが増えていく。
たとえば、桜を見るように。
桜は変わらず、毎年咲く。去年とは違う花なのに、また新しく、でも我々の記憶を呼び起こすように、美しく咲いてくれる。今や、我々にとって、ラブ×3は そういうものになっている。
してみると、昨日は花見の始まりか。
劇団稽古場の建屋が取り壊されることが決まり、研究所も終わりにするかどうか、岐路に立った昨年だったが、結局、スタジオ内に新設することになった。
そして、ラブ×3 は続く。たぶん。ま、研究生が来なくなったら、終わりだけどね。
しかし思えば、劇団にとって創造と育成、このふたつが命なんじゃなかろうか。
気の合った同じ仲間だけでずーっとやるのが楽なんじゃないか。
訳の分からん新人や、ヘタな若手なんか使わずに。
と思った時期もあった。
しかし今、劇団を見渡すと、古株たちも同じようにいつつも、運営や創造を支えているのは、研究所からあがって来たものたちだ。
卒業生は、ラブ×3で まず後輩を支える裏方となる。技術を精神を伝えていく。
訓練航海のように。
そこで、わが劇団の考え方とか、方向性、趣向とかが継承される。
伝える方も、教わる方も、どちらも大事なことを学びつつ。
その結果、また新たな個性が、劇団にやって来て、古株たちも刺激を受けたり、また違うことに挑まざるを得なくなる。
同じ事の繰り返しでは、こんなに長く続けらんないぜ。
昨夜、犬飼としみじみ話したが
ラブ×3の卒業生が、今、後輩を指導してラブ×3 を創り続けている。
この連鎖がしっかり続いている、うちはひょっとして今や、最も劇団らしい劇団なんじゃなかろうかね。
つか版忠臣蔵 とかをやった すみだパークスタジオの『マル倉』で公演してます。