お誕生日

SNSとかで、おめでとうメッセージとか頂いて、ありがたいことです。
お心遣い、どうもありがとうございます。

年齢は忘れていたいけど、こうして気にかけて頂くことで、頑張ろうと思えます。
特に、家に籠って執筆している時は、コレ何のためにやってんだろうと、虚しい自問自答の末の虚無感に、陥ること多々なので……

にしても、人生って、ホント、短いモノだぜと思う。
58ですからね。無限にあるように思えた、時間が、そうでもないね、と実感できる。

こないだ、若い女優と話してて、わしもそうそういつまでも出来る訳じゃねえぜ、とか言ったら、
わりと真顔で、ちょっと涙目の感じで

ホント、お願いだから元気でいてください、と手を合わせてお願いされた。

逆に、あ、この発言、思った以上にリアルなんだと、こっちが狼狽えたものよ。

死ぬのはいつも他人ばかり  寺山修司?

自分の死は確認不可能だからね。

全然違うけど、加藤和彦さんに、どんな時に曲って出来るんですか、と尋ねたことがある。
加藤さんが言った。
寝るときって、あ眠くなって来た……と思いつつ、いつの間にかポトリと落ちるでしょ。
そんな感覚。あ、来そうだなって分かるけど、
その瞬間は、結局わからない。

その加藤さんは、死を自分でコントロールしちゃったな。

死ぬも良し、望んで生きた 生じゃなし  加藤和彦

帰って来たヨッパライ の方が良いな。
おちゃらけられなくなっちゃうんだろうな。
ある限界点を超えてしまったら。

思うに、望んで生きた訳じゃない生を いかに、けっこう良かったよ、と言って終わるかが、人生の目標なのだろうな。

お陰様で、非常に、忙しいせいもあるだろう。
最近、なんかもう、芝居創り以外の、いろんなことがどうでもよくなって来てるんだよな。

金とか、人間関係とか、人からの評価とか。
考えりゃ、いろいろ悩みも尽きないはずなのに、それより、明日書くセリフどうすんだ、どうすんだ、どうすんだ、で過ぎてゆく。

たぶん、それは幸福なのだろうな。

加藤和彦の仕事に、遠く及ばない仕事しか出来てないけどさ。

誰も音楽なんか必要としていない、と加藤さんは言って死んだけど。
そう感じてしまった時、それは心底、心が寒かったろうな。

あんなに音楽に愛されて、彼の音楽に触れたい人だって、大勢いたのに。

なぜだろう。
今夜、ふいに加藤和彦のことを思った。

俺はね、幸いにも
人は演劇を必要としている、と思えているよ。

ありがとう。

58の夜に。














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