踊りましょ、首振って、腰をフリフリ ボリウッド! #江戸のマハラジャ

 厚木の初日を開けるにあたって、今回の企画の言い出しっぺ、ラッキィ池田さんにお言葉を求めたところ

 昨年、横内さんに、来年は絶対にボリウッドが来るから、先取りしてやりましょうと、ご提案して、この日が来ました。
 すでに皆様、お気づきの通り、今現在、ボリウッドの波なんかまったく来ていません。
 こうなったら、我々で、来させましょう。

 ね、天才だべ。

 しかし、時代劇、しかも定番の長屋の人情噺にボリウッドを、組み合わせるという、この強引なチャンポンが、存外うまくいって、厚木でやったTwoステージの感想で

 今までの作品の中で、一番良かった、みたいな声も少なからず聴く始末。

 オモシロイねえ、と言わせる自信はあったけど、一番良いというのは、想定外のことであった。
 ま、常に最新作が一番良く有れ! と思って作ってるから、それでいいんだけど。

 作ってる本人さえ、その創作過程では、
 何で江戸で、ボリウッドなんだっけ?
 
 と幾度も自問自答したものである。
 ワケが分からなさすぎる。
 そもそも江戸にインド人がいたなんて、話はどこにもないんだし。
 ましてや、踊ってたなんて嘘八百も良いところ。
 とんでもなく誤った道を、今、自分は進んでいるのではないかと、恐ろしくなり、執筆中は悪夢にうなされたこともあった。

 そんな時も、この作品には、天才ラッキィ池田が付いていると、己に言い聞かせて、前に進んだ。

 天才がそれでいいと言うのだから、凡人が常識にとらわれた、つまらぬ理屈とかこねて、せっかくの天才のひらめきを台無しにしちゃいかん。
 ピカソが、これは泣いている女の顔だ、というならば、ぜったい変だ、笑ってまうぜ、と思っても、鵜呑みにして飲み込むことだ。そのうちに、凡人にも、なんだか悲しく見えてきたりする時がやって来るもんだ。

 ラッキイさんが言ってるんだ。江戸にはボリウッドが一番なんだ、と自分を騙して、作りましたよ。

 そしたら、すみません、ゼンゼン波は来てませんねえ、って。
 作ったあとで聴いて良かった……

 しかし天才に導かれた我々は、今からここにリアルの波を起こすのである。
 
 一番いいよ、ってマジで何人にも言われたんだからね。
 厚木での話だけどね。

 明日から座高円寺にて。
 その目で確かめて欲しい。
 扉座も厚木も天才に騙されているだけかもしれないから……  

 あとご報告ね。
 舞台のフィナーレで里沙が歌っているテーマソングの歌詞も、ラッキイ池田さんの作詞です。
 ようかい体操に続きたい扉座! 

 
 
 
  

 









#ワンピース歌舞伎 と #ジパング青春記 と #江戸のマハラジャ

  スーパー歌舞伎Ⅱ 『ワンピース』に熱いご声援を賜りありがとうございました。
 昨日、無事に千秋楽を迎えました。
 もっとも私は、厚木にいて、扉座の初日を過ごしておりました。

 ワンピースに付いては、よくぞ若手公演「むぎわらの挑戦」バージョンを作っていたものだと噛みしめます。

 優れた若手たちに、もっと活躍の場をあげたい。
 この作品を、誰でもやれるような古典的演目に育てていきたい。

 計画を発表した際、猿之助さんは、そんな思いを語っていました。
 自分が出なくても、成立する演目に。
 それは役者としては、かなり勇気の要ることで、よほどの懐の深さと、揺るがぬ自信がないと、そんなふうには出来ないものです。
 若手の活躍に嫉妬して、その場をわざわざ奪い取ったりするベテランも多いのが、この世界なんだから。

 自分の作品を古典化したい。
 それは猿之助さんが役者でありつつ、極めて優れたクリエイターだという証ではないかな。
 そして奇しくも、その姿勢が、今回のピンチを乗り越える大きな力となったということです。
 
 正直、四代目の代となって、私がスーパー歌舞伎に関わることは、もうなくなってゆくのだろうと思っていました。
 新たな世代人々からすれば、私は去って行くべき古い船の方ですから。
 
 それがこうして、いろんな巡りあわせで場を頂いて、しかもそれがこのように、何回も上演される作品に結実して、数々のピンチを乗り越えつつ、お客様たちから熱く支持され、力を貰って成長を続けて。
 さらにまた、来年も上演が決まっている、この幸せはどれほど感謝しても、し足りないものです。
 来年4月の大阪公演には、また猿之助ルフィが帰って来てくれるはずです。

 千秋楽に居られなかったのは残念だけど、まだまだこの冒険は、途中だということで、来年の再会を楽しみにします。

 そんな一方で、昨夜は『江戸のマハラジャ』の初日。
 
 執筆から、稽古突入がバタバタとなり、余裕がなかったんだけど。
 実は稽古途中から、これは意外な傑作なんじゃないかと、思い始めておりました。
 そして、それが昨夜、確信となりました。
 いつものように厚木のお客さんが暖かくて、気持ちの良い初日だったのも大きいけど、私は結構冷静に見れて、この舞台、バカバカしさとマジの塩梅が、我ながら絶妙かと。
 かねがね、私はラッキィ池田さんと相性が良いと感じているんですが、それがまた証明されたと思います。
 
 またオモシロイの作っちゃったね。

 当然、ラッキイ式ボリウッド・ダンスが売りなんですが、それをいかに浮かせないか。
 それが楽しい分だけ、戯曲として、筋の一本通った、骨の太いものにしたいと思いました。
 ま、私のことなので、ゆるーい社会派、ぐらいの感じながら……
 世界及び、我が国の情勢が極めてあやふやで危なっかしい、こういう時こそ、エンタテイメントのふりして、少々モノ申したいと目論み、そこに執筆のこだわりを持ちました。
 その甲斐あって、そこんとこが結構、うまくいってんじゃないかと、自画自賛します。
 ま、ご感想はいろいろあるでしょうから、ぜひ、観てみて、いろいろお聞かせください。

 さて今日はこれから、厚木の2日目。
 と同時に、秋田角館では『ジパング青春記』のわらび劇場千秋楽です。
 これも、振付は ラッキィ&エリ ワールド。
 慶長にあった震災をテーマとした、実は重いテーマのミュージカルですが、深沢桂子さんの音楽とともに、心弾ませる歌と踊りで、救ってくれています。
 厚木から、思いをはせ。
 秋田のスタッフ、キャストとの再会を楽しみに致します。

 見に行かれるお客様方には、暖かい拍手喝采を、半年のロングランをやり遂げた仲間たちに賜りますよう、お願い申し上げます!

 厚木は厚木で、盛り上がってくぞ!
 
 

 
 

  
 
 
 
 

 
 
  

 
  

 
 








AbemaTV  #声だけ天使 と #江戸のマハラジャ と #ラッキィ池田 

 江戸のマハラジャ 稽古を終えて、いよいよ小屋入りです。
 
 研究生まで総動員して総勢五十人オーバーで、ボリウッド=踊るインド映画ワールドを 本格的長屋人情時代劇の中にぶち込んでおります。
 
 しかし原作は 山本周五郎作『人情長屋・短編集』の中から、「天竺の店子」より。なので、かなり本格的な時代劇でもあるのです。
 
 で、このダンスパートの振付・演出が、ラッキィ池田さんと彩木エリさん。(実はご夫妻)
 
 常々、私がいかにこのお二人の仕事を頼りにしているかは、今までにも何度もここに書き記して参りました。
 同時代に生きて、作品作りが出来ることを心から幸福だと思う、何人かの天才と出会ってきましたが、ラッキィさんは、まぎれもなくそのお一人です。佇まいが、あまりに陽気で、かつ謙虚なので、ついその偉大さを忘れがちになるんですが、この方と作品を作ることのできる、私はかなりの果報者であります。
 偉大さは、その踊りの中に!

 こんなことしながら、ちゃんと泣けるのはスゴイですねえ。

 と先日、通し稽古を見られた後、ラッキィさんから嬉しい言葉を貰いましたが、

 「こんなこと」をキッチリと劇団の芝居の中に仕上げてくれるラッキィさん、エリさんこそスゴイです、と私は言いたい。うちの人たちはダンサーじゃないわけで、それでクオリティを出すのは、プロ中のプロにしか出来ぬ技です。
 こんなことが、どんなことかは、舞台でお確かめくだされ。

 そんな 江戸のマハラジャ 土曜日からです。厚木市文化会館では、学生応援シートで、千五百円なんて格安サービスもしています。
 土曜の席はまだあるので、若者などに是非、奨めて下さい。

 で、
 今年の崖っぷちを招いた、#声だけ天使 のこと。

 昨年の年末、幻冬舎の見城徹社長より、サイバーエージェント社長の 藤田晋さんが、君に会いたがってるとご連絡を頂きました。

 年明け早々に、見城さんのご紹介で、藤田さんとお会いしたことがすべての始まりでありました。
 ネットテレビ AbemaTV では今後、ドラマ製作に深く取り組んでいく予定で、ついては、連続ドラマの第一弾に力を貸して頂きたいと、そんなお話でした。

 企画は今のところ、まったく白紙。まずは横内さんとお会いして、そこからスタートしようと思いました、と。
 今テレビがやってこととは違うものにしたい、完全オリジナルでいきたい。AbemaTV として今後の課題となる、若者層に向けるものにしたい。

 にしても、私も良い歳だし、何しろ映像系は門外漢だし。唯一の連ドラ作品、フジテレビの『ダンドリ』は、そんなに視聴率も取れなかったし……(奇遇にも!そのダンドリに高校時代、NEWSのマッスーの親友役で出演していたのが、マハラジャ客演の 篠山輝信さんです。その時から扉座、出たいと言ってくれてたのよ)
 とネガティブ要素は多々あるはずなのだけど。

 最近見たいろんなもののなかで 幻冬舎プレゼンツ『郵便屋さんちょっと』 がダントツに、面白かったので、横内さんにお願いしたいと思ったのです。と仰っていただき。

 2017年は、ほぼ活動内容が決まっているのに、そこまで言われて逃げるのは男じゃないと思い、出来る限りのことをします、と言ってしまったのでした。

 で、企画会議が始まり、アベマのスタッフからもいろんな提案のある中で、
 声優を目指す、さえない専門学校生たちの青春物語、という私の企画で行くことになってしまったのでした。
 打ち明ければ、ここ数年、扉座の研究所に毎年入って来る、声優系専門学校出身者たちを観察していて、温めていた、というか、溜まっていたモチーフではあるのですが……
 私が身近に見て来たぶんリアリティがあり、しかも思わぬ盲点でもあったようです。
 そういえば、今まで声優のことを扱ったドラマってなかったなあ、と。

 もう、本当に白紙からのデザインで、普通の連ドラなら、主演や監督ぐらい決まっていてスタートすると思うのですが、
 その時は、何も決まっていない状態でした。
 中身に合わせて、スタッフ、キャストを決めようというのです。

 まあ、そこからの詳細はまた別の機会に記すとして、
 実際に、今、撮影中のドラマ、出演者は、とても失礼な言い方ながら、ほぼ無名な人たちばかりです。
 春過ぎに監督と決まった、尾形竜太監督が(俺も無名だから、と笑っておられます)、全員面談し、演技オーディションを行って、役に合わせて決めたキャストです。
 扉座から出る、岡森、中原も、私のコネ枠ではなく、6月に紀伊國屋で監督やプロデューサーたちが『郵便屋さんちょっと』の再演を見てくれて、あの方たちに是非、と声をかけて下さったのです。
 逆に、私が勝手に、うちの劇団員とか知り合いの役者を想定して書いた役に、オーディションで監督のイメージする俳優がチョイスされていたりして、
 かかなりフェアーにして、シビアな製作が遂行されました。
 実に潔く!
 
 昨今のテレビドラマに対しては、プロダクションの俳優行政第一の製作が、よく批判の対象となっているようですが。
 今回は、それとはまったく真逆なことをしているのです。
 まず、企画とホンだろう、と。

 当初は出来る限りという話だったけど、そこまで膨らんでしまうと、ますます
 コレは逃げちゃダメだ!
 という感じになり、まあ、ところどころ、他の作家さんの手助けも受けつつ、全話を書くこととなったのでした。
 ちなみに、尾形監督も、ひとりで全話撮る、という極めて筋の通った連ドラとなっています。
 (今のドラマは、数名の監督で回すのが常識になっている)

 このように、お話のあった時点で、今年は活動はほぼ決まっていたので、そこに無理やりこの仕事を詰め込んだもだから、
 仕事は過酷を極めました。
 本気で失踪を考えたことも幾度か。
 
 そして、真剣に頼まれた時、ついつい、引き受けてしまう、
 自分の男気 を幾度も悔いました。

 でも、それも今は、もう過ぎたこと。
 撮影は佳境となり、間もなく、撮り終わりになろうかというところです。
 もちろんその後、多くのスタッフたちと企画や脚本を詰めて進めましたが、何分そんなふうにスタートしたものなので、
 責任は極めて重く、と同時に愛着も深く。

 今は仕上がりをドキドキしつつ、待つところです。

 で
 自分はしばし 江戸のマハラジャ に全力で没頭する、と。

 いい感じに公演を成功させて、来年につなげたいです。


 

 ところで!


 山本周五郎 原作というのは 嘘です。
 そんな風に仕上がればよいなと願いを込め、嘘付きました!

 江戸にインド人が居たという記録は、どこを探してもありません。
   
 
 
 

 
 

 

  
 
 



 
 

 

  

 
  









惑星直列のような日 #江戸のマハラジャ #ワンピース歌舞伎 #声だけ天使

 FACEBOOKの更新は頻繁ですが、こちらはすっかりサボっておりました。
 FACEBOOKをやってて、まだお友達になっていない方、おられましたら是非、ご連絡下さいませ。各種情報、写真付きでお届けしています。

 さてこちらは、も少し深いと言うか、細かい思いを書き留めて。

 人生で最も忙しいと言える一年でありました。
 心身ともに疲弊しつくし、八月以降は、マジでヤバくねえ、俺……的に崖っぷちでありました。
 横浜マグカル公演~厚木アカデミー公演~ AbemaTV  #声だけ天使 全10話シナリオ執筆 ~ スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース #ワンピース歌舞伎 ~  ~某地方自治体のゆるキャラのテーマソング作成~ 江戸のマハラジャ執筆

 夜明けとともに起きて、毎日、みっつぐらいのことをやり続けて参りました。

 そして『江戸のマハラジャ』の稽古終盤に、今、辿り着いたところであります。
 この執筆に取り掛かかった矢先に、四代目猿之助さんの事故などもあり、崖を少し落ちた感も生じました。
 ついに天運尽きたかと……
 しかし、仲間たちの頑張りで、公演は無事続けられ。思わぬ完投となった ルフィ役の尾上右近さんも、全身全霊で座長の不在を埋めて支えたのみならず、大評判をとり。

 何かに守られ、助けられ、こうして、ここに辿り着いています。

 で、この11月25日、26日と、今年の仕事の成果が一気に重なる、惑星直列のような日が訪れます。

 25日の土曜日は、ワンピース 新橋演舞場公演の千秋楽。
 であると同時に、『江戸のマハラジャ』 初日。厚木市文化会館・小ホールにて

 26日日曜日は 厚木公演に重なって、四月からロングランしていた秋田角館わらび座の『ジパング青春記』のわらび劇場大千秋楽。
 しかも、厚木市文化会館の大ホールで、私が委員長を務める、あつぎミュージックフェスティバル 第4回公演が、凄い人気者たちを集め、小ホールでの扉座公演がおわってすぐの5時からスタート。

 四代目の事故を乗りこえた、ワンピース一座の感動の千秋楽には、ぜひ立ち会いたいところながら、扉座座長としては劇団優先で厚木に参ります。まあ、ワンピースは来年の大阪、名古屋公演もあるので、我慢しましょう。

 秋田は秋田で、4月からのロングランの千秋楽。これも感慨深く、涙涙のラストとなりましょうが、1月から仙台での引っ越し大公演もあるので、我慢しましょう。

 全部がちょっとずつズレればいいのにと思うけどね。

 でも、私にとって一番大事なのは、常に今取り掛かっている仕事。
 出来たモノより、生んでゆくモノで。
 その思いが目下、最大なのは最新作となる、扉座公演『江戸のマハラジャ』であります。

 迫りくる数々の課題、難題、の山に挫けかけて、江戸にもマハラジャにも辿り着けないんじゃないかと、本気で不安になった頃もありますが、
 すでに中身はほぼ出来上がり、通し稽古からの最終調整段階に入っています。

 祝! 江戸のマハラジャ、完成間近!

 たぶん、初日の幕が開いたら、私は泣くと思います。
 と言いながら、その時々にまた気になることが生まれていて、そんな余裕もなく、あたふたするうちに、終わるのが通例でありますが。
 
 そんなことも忘れて自分を泣かすぐらいの舞台にしたいと、最後の追い込みをかけています。
 この新作、一見際物的な出し物に見えていると思いますが、
 ラッキイ池田氏はじめ、多くのスタッフ、そして今扉座の持てる力のすべてを注ぎ込んだ、かなりマジの本格的な新作公演です。まあ、見て驚いておくれ。
 チケットはまだアリマス。

 ところで2017年が、こんな殺人的スケジュールとなってしまった、原因ははっきりしていて

 AbemaTV初の連続オリジナルドラマ  #声だけ天使 全10話シナリオ執筆

 というものの為であります。
 今年の初めに突然決まった仕事で、これはこれで特筆して書き残すことながら、まずは
 『江戸のマハラジャ』に集中します。

 #声だけ天使 は目下撮影中。配信は来年1月からで、
 扉座から、岡森諦、中原三千代、新人・北村由海なども出演します。



 

 

 

 

 
 
   

 
  
 
 







紀伊國屋ホールのフロントサイド

 昨日は、無謀ナイト だったので、開演前に舞台に立って前説を。
 
 少しでも多くの若者に、見て欲しかったから、自分の席もリリースして、フロントサイドのすスペースから、舞台を見ていた。
 ここは全盛期の、つかこうへい が紀伊國屋ホールでの定位置としていた、伝説の場所。
 劇場に入ると、前方左右に照明がダーツと並べられている、でっぱりがある。
 その上手側である。
 そこからの舞台の眺めは、斜めからの見おろしで、下手側はかなり見えないんだけど、
伝説のスポットだからな。
 紀伊國屋でやるときは、時々必ず、ここに行くことにしている。

 つかさんは、ロビーに立つことはなかったから、うんと前に座れた時に、振り返って見ると、たまーに、その姿を垣間見ることが出来たりしていたものだ。
 舞台進行中である。
 深くつかこうへいに憧れた、演劇小僧は、劇中であったも、その姿を拝みたくて、振り返り振り返りしていたのだ。
 さぞ、邪魔くさいガキだったことだろうよ。

 つかこうへい、がいったいどうやって、こんな舞台を作ってるのか、その謎が知りたくて知りたくて、たまらなかったのだ。

 つかさんがロビーに立たなかったのは
 自分の娘がこれからお客たちに犯される、って時にへらへら玄関先で笑ってられますか!
 という理屈であった。
 そんだけ真剣勝負なんだ、ってことだった。

 劇団を始めて、10年ぐらいはそのスタイルを真似てやって、裏に引っ込んで頑張っていたものよ。
 しかし長い活動の中、経済的にも私が全面的に責任を負うことになって、そんな大作家先生的な顔だけでやり通すことは困難となり、
 怪しき興行師として、前面に立つことにした。

 俺の芝居は娘でなく、息子なんだと、今では思っている。
 自分でしっかり闘って、敵の首、獲ってこいや!という精神である。

 ところで昨夜
 無謀ナイトは、またまた夢のような公演だった。

 若いというのは、本当に素晴らしい。
 イチイチの反応が違う。
 笑い声が元気、拍手の音が、パチパチと弾む。

 嫌だねえ、歳とると。
 イチイチ、泣き笑いする力がもうない……

 笑っても、音にならずに、空気になって、
 手を叩いても、パサパサと枯れた音になる。

 400人の、見たいと思った、学生たちが集まってくれた。
 (ここ大事!学校行事じゃないんだぜ!)

 演劇好きとか、何かで奨められた、若い力が、期待をもって、或いは強い好奇心で、全力で、カブリついて見てくれるから、役者も燃えて熱くなる。
 昨日までは、コソっと笑ってくれるだけだったところが、ドカーンと爆発的に受けたりするから、役者が驚き、演技細胞が活性化する。
 そういう細胞があるんです、本当に。
 
 怒涛の如く、2時間5分が過ぎて
 カーテンが下りた時の、嵐のような拍手を聞いて、
 私は、サイドフロントで、久々に鳥肌が立ちましたよ。

 ああ、こんな空気の中に、あの時、確かに俺はいて。
 こんな空気の中で生きる人になりたいと強く願ったのだな、と思い出した。
 つかこうへいの秘密の小部屋で。

 予言しちゃうけど、残念ながら、昨夜の公演以上の公演は、たぶんない。
 今後のお客様には、本当に申し訳ないけど。
 違う感動しか生み出せない。
 だって、我々がどんなに頑張っても、あのお客さんたちが、集まってくれなくちゃ、ああはならないんだから。
 芝居としては、昨夜よりずっと良い出来の日は、必ず来るけど……

 せめて、昨夜の境地、状態に少しでも近づくように、と演技細胞を自力で活性化させるのが我々の務めでしょう。

 それぐらい特別な公演なんです。
 無謀ナイトは。
 幻冬舎様の熱烈サポートがあればこそ、実現できている贅沢だし。
 
 扉座ファン、演劇を愛する方たち、皆さまにもぜひ、あの光景をお見せしたい、その中にいて頂きたいと強く思うけど、それも出来ない。
 なんという一期一会の奇跡。

 昨夜、そんな夢を見せてくれた、学生さんたちに、心からありがとう!

 7月2日、厚木でもう一度、チャンスはあるから
 見逃したお友達にご紹介してあげて。次は25歳以下、無料の大盤振る舞いだよ。



 追伸
 劇中のマイクパフォで、幻冬舎様とか、見城様とか、イチイチ言っているのは、何か媚びへつらってんじゃないか、演劇としておかしいんじゃないか、みたいなことをおっしゃる方もいるようですが、
 これもねえ、すべて、つかこうへい演出の様式なんですよ。
 つかさんがそうしていたから、心を込めて、その型と精神を継承しているのです。

 普段の扉座見てくれたら、そこらへんの違いも楽しんでいただけるんだけどね……

 まあ、そんな、つか世界さえ知らぬ人が多くなってしまった時代なので、しょうがいなですけど。

 しかし、それ以上に、昨夜のような至福を、支えて下さる良きスポンサー様に、誠心誠意のお礼を申し上げるのは当然だよと、私は改めて思いました。