打ち明け話 ネタバレ中

 たまーに、某劇団員が出ています。まったくの不定期で、私ですら、いつ出て来るのか不明です。舞台後半、舞台袖から、その声が聞こえて来て、おお今日は来たのか、間に合ったのか、と知る状態です。同期の犬飼淳治の、一世一代の晴れ舞台ということで居ても立ってもおられず、他の仕事の合間を縫って、馳せ参じて登場しています。

 20数年前、今ならば、まっさきに告発されそうな、劇団内奴隷制度全盛の時代に、同期の新人奴隷として青春を過ごした者同士。熱い友情として、見守って、或いは見過ごしていただけたら幸いです。
 
 ちなみに一応、役名はあって、杉田蛋白先生。江戸の老医者です。
 名前までついてますけど、登場する時としない時があるぐらいですから、ストーリー的には、ほぼ関係ありません。

 ラクイブナイトは確実におりますよ。千秋楽前夜のイベントは、余程のことがない限り、彼の責任担当と決まっていますから。今のところ、通常通りのバカイベントが予定されています。

 ところで、この #江戸のマハラジャ
 あまりに、ごちゃまぜテイストなので、こんな話どうやって考えたのですか、と何度かご質問を受けました。ちょっと精神状態を疑われている気配とかもありつつ。
 頭の中は、大丈夫?と。

 夏から秋の頃、あまりにいろいろ重なりすぎて、かなり危険な時期はありましたが、とりあえず発病だけは回避して、市民生活を営んで参りました。

 今回の創作は、いわゆる三題噺でした。
 落語で、お客様からお題を頂いて、それをひとつの話にこしらえる、という創作方法。
 幕末~明治期の名人・三遊亭圓朝の名作『芝浜』なんてのが、その代表と言われています。
 「革財布」「酔漢」「芝浜」のみっつのモチーフを、お客から貰って、即興でこしらえたとか。まあ、伝説ですが。

 「ラッキィ式ボリウッドダンス」「江戸」「テロリスト」
 の、3要素を先に決めて、さて、これをどうつなげるか、を考えて創ったのが今回の
 #江戸のマハラジャ でありました。
 お客さんから頂いたわけではなく、自分で決めた3題ですが。これを決めた時には、明確なストーリーはまったくなく、とにかく、お前、このお題で作れ、と俺が俺が命じたわけです。

 その創作過程では、歌舞伎で有名な、江戸の魔人でインドに行って帰って来て、巨大ガマガエルを操って幕府転覆を謀った 天竺徳兵衛 とか。その未亡人とかを、出そうとして、
 四苦八苦した時期もあります。
 その時はまだ「江戸」のキーワードが、大きく江戸に留まっていて、今、舞台としている、裏長屋に結実していなかった。お家騒動的な、活劇的時代劇の可能性もあったわけだ。
 しかし、いろいろ考えるうちに、ヤッパ、うちの役者たちが生きるのは、幕府とか、ご城内ではなく、貧乏長屋だよね、という結論に辿り着いて、二本差しは、野田翔太ひとりという現行の状態となったわけです。
 武士の代表が、野田くんになったところで、作家は本作において侍世界を描く気をゼロにした、と言っても過言ではないでしょう。

 さて、もうひとつのテロリスト。
 これはねえ、実は私が、いつか超シリアスにして社会派の問題作を作ろうと思って、ずーっと暖めて来た大切な素材でありました。
 今回のインドの謎の工作員なんてのは、まやかしのヌルヌルも、いいところで。

 例えば、オウム真理教とか、北朝鮮とか、ISとか。リアルにそういう背景をしかと描き込んで、一歩も下がらず、厳しき姿勢で世にまことを問う事件的な作品にしてやろうと。
 そういう組織の工作員が、任務を持ちつつ、社会に紛れ込んで、近隣の人たちを騙して市民生活に潜むんだけど、なかなか作戦実行の指令が届かなくて、その間もひたすら、その社会に馴染む努力を続けた結果、誰よりも立派な市民生活を送り続けるようになった、みたいな。
 オウム事件の逃走犯が、偽装して逃げている間に普通に会社で働いて、結婚して、市民生活を送っていたところを、ついに捕まったと言う事件があったけど。
 その結婚相手が、彼女との生活は幸せだった、みたいな発言をしてると聞いて、劇作家は涙を禁じ得ず、いろんなことを夢想していたわけです。世の人々がなんと言おうと、俺だけはこの二人に寄り添うべきなんじゃないだろうか、とか、頼まれてもいないのに、変な使命感を持ち始めて。
 
 それを今回、時間的に切羽詰まったところもあり、豪気に使ってもうた……
 厳しき姿勢のカケラもなく。
 バカバカしいストーリーとして。

 ま、幸いにしてこうして皆様に面白がって頂いているので、まったく後悔はしてませんが、
 高級キャビアを、カレーに混ぜて煮込んじゃったみたいな、贅沢と言えば贅沢で、モッタイナイといえばモッタイナイ。
 そんなゴチヤマゼ世界が、#江戸のマハラジャ なのでした。

 今日の日記は煽りというより、備忘録。
 キャビアを惜しげもなくぶち込んだこと、自分でさえ忘れてしまいそうだから。
 
 

 
 

 
 
 

 
   
   

 

 

  
 
 

  
  
 
 

 

 









#江戸のマハラジャ あと少し

 私がこうして日記を更新するのは

 ① どうしても訴えたいことがある時
 ② ぜひ書き留めたいことがある時
 ➂ 必死に宣伝したい時

 のパターンがある。
 すでにお気づきと思うが、今回の突然の日記更新ラッシュは、主に ➂ の理由である。

 厚木を仕込んでたあたり、東京公演は壊滅的状況で、もしかしたら、舞台に乗る人間の数が、客数を上回るのではという危惧さえあった。
 以前泊まった、バリ島の高級リゾートホテルがお客様お一人に対して、マンツーマン以上のスタッフ体勢でケアしていると、売り文句にしていて、確かに分厚いケアだったが。
 それ以上の対応である。
 しかしこっちは高級ホテルじゃねえんだから。舞台でマンツーマン、もしくはそれ以上体勢でお客と向かい合うのは、お互いに辛い。

 で、なりふり構わず、発信作業をしてきたわけだ。出演者も総力で。
 幕が開いて、つまらんといううわさが流れて、お客さんが来ないと言うなら、それはもう仕方のないことだが、幕開き前なんだからな。

 新感線公演のプロデューサーの細川さんと、以前、松山大街道あたりでご馳走になりながら、話して印象的だったのは
 今、舞台の公演で、売り出しと同時に売り切れないようなのは、それで失敗だから、という言葉。
 常に即完を続ける希代の大プロデューサーならではの、強気にして頼もしきお言葉であった。
 その言葉に反感を感じる人も少なからずいるだろうけど、ロングランシステムが確立していない、我が国の演劇事情では、大きな説得力を持つ。
 
 笑っていいとも、とかに役者が出て舞台の宣伝するでしょう。間もなく開幕です、とか。
 アレ出て来るたびに、ああゼンゼン売れてないんだな、と思うでしょ。
 そもそも今、テレビなんかで告知しても、たいして人は動かないのに、ヤバい状況なんだねと、それを宣伝してるような逆効果なんだよ。

 ロングラン可能ならば、幕開き当初はガラガラだったけど、徐々に評判が上がって、延長続演からのロングランに至った、というのもありだけど
 わが国では日にちが決まってるから。とりあえず一回バラし、再演の機会を待つしかないんである。しかしいくら中身がよくても、一度採算の採れなかった舞台の再演はまず有り得ないのである。よっぽどプロデューサーに自信があるか、捨て身の意地でも張らない限り。
 
 ちなみに、我が扉座、チケット販売と同時に完売、ということは長い歴史の中で一度もありません。個人的には、そういう公演に関わったこともあるけどな。
 劇団では皆無。
 一度で良いから、そんな目に遭ってみたい。

 ただね、
 あらかじめの、満席完売は確かに気持ち良いし、特に私のような経営者にとっては、ぜひそうしたい理想なのだけど
 クリエイターとしてはね、ちょっと寂しさを感じることもある。
 だって、舞台の仕上がりに関係なく、盛り上がってるという話だから。
 再演は別だよ。再演は、発表から盛り上がってくれなきゃ、何でやるのか、分かんなくなる。
 
 贅沢なことを言うなら、中身で評判とって、お客さんを得たい。増やしたい。

 劇団員たちには、そんなこと絶対言わせませんよ。
 そんな呑気なこと言って、大赤字くらって借金背負うのは私なんだから。

 あくまでも、一クリエイターとしてね。
 
 そういう意味で #江戸のマハラジャ 社長としては甚だ、頭の痛い滑り出しでありました。(※厚木公演は、客席もほぼ埋まって、けっこー盛り上がったのに)
 すわ 高円寺にて死す、これにて解散か、と。
 ぜんぶ犬飼のせいにしよう……と。

 しかし、総出の宣伝の甲斐あり、また開幕してから、舞台を見た少なからぬ皆さんが好意的なツィートなど拡散して下さったお陰で、じわじわと埋まり始めています。
 皆で精魂込めて作った作品がピンチを救ってくれるような、理想的な大団円に至るまで、あと少しというところ。
 
 にしても、関連業者でも親戚でもないお客様がね。

 扉座はおすすめ!とか。
 江戸のマハラジャ 見るべき!とか。
 
 世界に発信して下さっている書き込みなどを見る度に、有り難くて涙が出ます。
 昔は口コミとか言っていたものだと思うんですが

 今は、それが目に見えるカタチで、我々の前に並ぶので、喜びも深いです。
 目下、そういうご声援を一番の頼りにして、日曜日までの公演に全力で臨んでおります。

 明日火曜日の7時から、公演再開。
熱いご声援に感謝しつつ、その思いに報いる決意を更に高めて……

 皆様のご来場、心からお待ちしています。
  

 
 
 
 
 
  
 
 
 
 



 
 

 








踊りましょ、首振って、腰をフリフリ ボリウッド! #江戸のマハラジャ

 厚木の初日を開けるにあたって、今回の企画の言い出しっぺ、ラッキィ池田さんにお言葉を求めたところ

 昨年、横内さんに、来年は絶対にボリウッドが来るから、先取りしてやりましょうと、ご提案して、この日が来ました。
 すでに皆様、お気づきの通り、今現在、ボリウッドの波なんかまったく来ていません。
 こうなったら、我々で、来させましょう。

 ね、天才だべ。

 しかし、時代劇、しかも定番の長屋の人情噺にボリウッドを、組み合わせるという、この強引なチャンポンが、存外うまくいって、厚木でやったTwoステージの感想で

 今までの作品の中で、一番良かった、みたいな声も少なからず聴く始末。

 オモシロイねえ、と言わせる自信はあったけど、一番良いというのは、想定外のことであった。
 ま、常に最新作が一番良く有れ! と思って作ってるから、それでいいんだけど。

 作ってる本人さえ、その創作過程では、
 何で江戸で、ボリウッドなんだっけ?
 
 と幾度も自問自答したものである。
 ワケが分からなさすぎる。
 そもそも江戸にインド人がいたなんて、話はどこにもないんだし。
 ましてや、踊ってたなんて嘘八百も良いところ。
 とんでもなく誤った道を、今、自分は進んでいるのではないかと、恐ろしくなり、執筆中は悪夢にうなされたこともあった。

 そんな時も、この作品には、天才ラッキィ池田が付いていると、己に言い聞かせて、前に進んだ。

 天才がそれでいいと言うのだから、凡人が常識にとらわれた、つまらぬ理屈とかこねて、せっかくの天才のひらめきを台無しにしちゃいかん。
 ピカソが、これは泣いている女の顔だ、というならば、ぜったい変だ、笑ってまうぜ、と思っても、鵜呑みにして飲み込むことだ。そのうちに、凡人にも、なんだか悲しく見えてきたりする時がやって来るもんだ。

 ラッキイさんが言ってるんだ。江戸にはボリウッドが一番なんだ、と自分を騙して、作りましたよ。

 そしたら、すみません、ゼンゼン波は来てませんねえ、って。
 作ったあとで聴いて良かった……

 しかし天才に導かれた我々は、今からここにリアルの波を起こすのである。
 
 一番いいよ、ってマジで何人にも言われたんだからね。
 厚木での話だけどね。

 明日から座高円寺にて。
 その目で確かめて欲しい。
 扉座も厚木も天才に騙されているだけかもしれないから……  

 あとご報告ね。
 舞台のフィナーレで里沙が歌っているテーマソングの歌詞も、ラッキイ池田さんの作詞です。
 ようかい体操に続きたい扉座! 

 
 
 
  

 









#ワンピース歌舞伎 と #ジパング青春記 と #江戸のマハラジャ

  スーパー歌舞伎Ⅱ 『ワンピース』に熱いご声援を賜りありがとうございました。
 昨日、無事に千秋楽を迎えました。
 もっとも私は、厚木にいて、扉座の初日を過ごしておりました。

 ワンピースに付いては、よくぞ若手公演「むぎわらの挑戦」バージョンを作っていたものだと噛みしめます。

 優れた若手たちに、もっと活躍の場をあげたい。
 この作品を、誰でもやれるような古典的演目に育てていきたい。

 計画を発表した際、猿之助さんは、そんな思いを語っていました。
 自分が出なくても、成立する演目に。
 それは役者としては、かなり勇気の要ることで、よほどの懐の深さと、揺るがぬ自信がないと、そんなふうには出来ないものです。
 若手の活躍に嫉妬して、その場をわざわざ奪い取ったりするベテランも多いのが、この世界なんだから。

 自分の作品を古典化したい。
 それは猿之助さんが役者でありつつ、極めて優れたクリエイターだという証ではないかな。
 そして奇しくも、その姿勢が、今回のピンチを乗り越える大きな力となったということです。
 
 正直、四代目の代となって、私がスーパー歌舞伎に関わることは、もうなくなってゆくのだろうと思っていました。
 新たな世代人々からすれば、私は去って行くべき古い船の方ですから。
 
 それがこうして、いろんな巡りあわせで場を頂いて、しかもそれがこのように、何回も上演される作品に結実して、数々のピンチを乗り越えつつ、お客様たちから熱く支持され、力を貰って成長を続けて。
 さらにまた、来年も上演が決まっている、この幸せはどれほど感謝しても、し足りないものです。
 来年4月の大阪公演には、また猿之助ルフィが帰って来てくれるはずです。

 千秋楽に居られなかったのは残念だけど、まだまだこの冒険は、途中だということで、来年の再会を楽しみにします。

 そんな一方で、昨夜は『江戸のマハラジャ』の初日。
 
 執筆から、稽古突入がバタバタとなり、余裕がなかったんだけど。
 実は稽古途中から、これは意外な傑作なんじゃないかと、思い始めておりました。
 そして、それが昨夜、確信となりました。
 いつものように厚木のお客さんが暖かくて、気持ちの良い初日だったのも大きいけど、私は結構冷静に見れて、この舞台、バカバカしさとマジの塩梅が、我ながら絶妙かと。
 かねがね、私はラッキィ池田さんと相性が良いと感じているんですが、それがまた証明されたと思います。
 
 またオモシロイの作っちゃったね。

 当然、ラッキイ式ボリウッド・ダンスが売りなんですが、それをいかに浮かせないか。
 それが楽しい分だけ、戯曲として、筋の一本通った、骨の太いものにしたいと思いました。
 ま、私のことなので、ゆるーい社会派、ぐらいの感じながら……
 世界及び、我が国の情勢が極めてあやふやで危なっかしい、こういう時こそ、エンタテイメントのふりして、少々モノ申したいと目論み、そこに執筆のこだわりを持ちました。
 その甲斐あって、そこんとこが結構、うまくいってんじゃないかと、自画自賛します。
 ま、ご感想はいろいろあるでしょうから、ぜひ、観てみて、いろいろお聞かせください。

 さて今日はこれから、厚木の2日目。
 と同時に、秋田角館では『ジパング青春記』のわらび劇場千秋楽です。
 これも、振付は ラッキィ&エリ ワールド。
 慶長にあった震災をテーマとした、実は重いテーマのミュージカルですが、深沢桂子さんの音楽とともに、心弾ませる歌と踊りで、救ってくれています。
 厚木から、思いをはせ。
 秋田のスタッフ、キャストとの再会を楽しみに致します。

 見に行かれるお客様方には、暖かい拍手喝采を、半年のロングランをやり遂げた仲間たちに賜りますよう、お願い申し上げます!

 厚木は厚木で、盛り上がってくぞ!
 
 

 
 

  
 
 
 
 

 
 
  

 
  

 
 








AbemaTV  #声だけ天使 と #江戸のマハラジャ と #ラッキィ池田 

 江戸のマハラジャ 稽古を終えて、いよいよ小屋入りです。
 
 研究生まで総動員して総勢五十人オーバーで、ボリウッド=踊るインド映画ワールドを 本格的長屋人情時代劇の中にぶち込んでおります。
 
 しかし原作は 山本周五郎作『人情長屋・短編集』の中から、「天竺の店子」より。なので、かなり本格的な時代劇でもあるのです。
 
 で、このダンスパートの振付・演出が、ラッキィ池田さんと彩木エリさん。(実はご夫妻)
 
 常々、私がいかにこのお二人の仕事を頼りにしているかは、今までにも何度もここに書き記して参りました。
 同時代に生きて、作品作りが出来ることを心から幸福だと思う、何人かの天才と出会ってきましたが、ラッキィさんは、まぎれもなくそのお一人です。佇まいが、あまりに陽気で、かつ謙虚なので、ついその偉大さを忘れがちになるんですが、この方と作品を作ることのできる、私はかなりの果報者であります。
 偉大さは、その踊りの中に!

 こんなことしながら、ちゃんと泣けるのはスゴイですねえ。

 と先日、通し稽古を見られた後、ラッキィさんから嬉しい言葉を貰いましたが、

 「こんなこと」をキッチリと劇団の芝居の中に仕上げてくれるラッキィさん、エリさんこそスゴイです、と私は言いたい。うちの人たちはダンサーじゃないわけで、それでクオリティを出すのは、プロ中のプロにしか出来ぬ技です。
 こんなことが、どんなことかは、舞台でお確かめくだされ。

 そんな 江戸のマハラジャ 土曜日からです。厚木市文化会館では、学生応援シートで、千五百円なんて格安サービスもしています。
 土曜の席はまだあるので、若者などに是非、奨めて下さい。

 で、
 今年の崖っぷちを招いた、#声だけ天使 のこと。

 昨年の年末、幻冬舎の見城徹社長より、サイバーエージェント社長の 藤田晋さんが、君に会いたがってるとご連絡を頂きました。

 年明け早々に、見城さんのご紹介で、藤田さんとお会いしたことがすべての始まりでありました。
 ネットテレビ AbemaTV では今後、ドラマ製作に深く取り組んでいく予定で、ついては、連続ドラマの第一弾に力を貸して頂きたいと、そんなお話でした。

 企画は今のところ、まったく白紙。まずは横内さんとお会いして、そこからスタートしようと思いました、と。
 今テレビがやってこととは違うものにしたい、完全オリジナルでいきたい。AbemaTV として今後の課題となる、若者層に向けるものにしたい。

 にしても、私も良い歳だし、何しろ映像系は門外漢だし。唯一の連ドラ作品、フジテレビの『ダンドリ』は、そんなに視聴率も取れなかったし……(奇遇にも!そのダンドリに高校時代、NEWSのマッスーの親友役で出演していたのが、マハラジャ客演の 篠山輝信さんです。その時から扉座、出たいと言ってくれてたのよ)
 とネガティブ要素は多々あるはずなのだけど。

 最近見たいろんなもののなかで 幻冬舎プレゼンツ『郵便屋さんちょっと』 がダントツに、面白かったので、横内さんにお願いしたいと思ったのです。と仰っていただき。

 2017年は、ほぼ活動内容が決まっているのに、そこまで言われて逃げるのは男じゃないと思い、出来る限りのことをします、と言ってしまったのでした。

 で、企画会議が始まり、アベマのスタッフからもいろんな提案のある中で、
 声優を目指す、さえない専門学校生たちの青春物語、という私の企画で行くことになってしまったのでした。
 打ち明ければ、ここ数年、扉座の研究所に毎年入って来る、声優系専門学校出身者たちを観察していて、温めていた、というか、溜まっていたモチーフではあるのですが……
 私が身近に見て来たぶんリアリティがあり、しかも思わぬ盲点でもあったようです。
 そういえば、今まで声優のことを扱ったドラマってなかったなあ、と。

 もう、本当に白紙からのデザインで、普通の連ドラなら、主演や監督ぐらい決まっていてスタートすると思うのですが、
 その時は、何も決まっていない状態でした。
 中身に合わせて、スタッフ、キャストを決めようというのです。

 まあ、そこからの詳細はまた別の機会に記すとして、
 実際に、今、撮影中のドラマ、出演者は、とても失礼な言い方ながら、ほぼ無名な人たちばかりです。
 春過ぎに監督と決まった、尾形竜太監督が(俺も無名だから、と笑っておられます)、全員面談し、演技オーディションを行って、役に合わせて決めたキャストです。
 扉座から出る、岡森、中原も、私のコネ枠ではなく、6月に紀伊國屋で監督やプロデューサーたちが『郵便屋さんちょっと』の再演を見てくれて、あの方たちに是非、と声をかけて下さったのです。
 逆に、私が勝手に、うちの劇団員とか知り合いの役者を想定して書いた役に、オーディションで監督のイメージする俳優がチョイスされていたりして、
 かかなりフェアーにして、シビアな製作が遂行されました。
 実に潔く!
 
 昨今のテレビドラマに対しては、プロダクションの俳優行政第一の製作が、よく批判の対象となっているようですが。
 今回は、それとはまったく真逆なことをしているのです。
 まず、企画とホンだろう、と。

 当初は出来る限りという話だったけど、そこまで膨らんでしまうと、ますます
 コレは逃げちゃダメだ!
 という感じになり、まあ、ところどころ、他の作家さんの手助けも受けつつ、全話を書くこととなったのでした。
 ちなみに、尾形監督も、ひとりで全話撮る、という極めて筋の通った連ドラとなっています。
 (今のドラマは、数名の監督で回すのが常識になっている)

 このように、お話のあった時点で、今年は活動はほぼ決まっていたので、そこに無理やりこの仕事を詰め込んだもだから、
 仕事は過酷を極めました。
 本気で失踪を考えたことも幾度か。
 
 そして、真剣に頼まれた時、ついつい、引き受けてしまう、
 自分の男気 を幾度も悔いました。

 でも、それも今は、もう過ぎたこと。
 撮影は佳境となり、間もなく、撮り終わりになろうかというところです。
 もちろんその後、多くのスタッフたちと企画や脚本を詰めて進めましたが、何分そんなふうにスタートしたものなので、
 責任は極めて重く、と同時に愛着も深く。

 今は仕上がりをドキドキしつつ、待つところです。

 で
 自分はしばし 江戸のマハラジャ に全力で没頭する、と。

 いい感じに公演を成功させて、来年につなげたいです。


 

 ところで!


 山本周五郎 原作というのは 嘘です。
 そんな風に仕上がればよいなと願いを込め、嘘付きました!

 江戸にインド人が居たという記録は、どこを探してもありません。